今回はシマノのエントリーモデルリールである、23セドナのインプレです。
結論から言うとこのリールは、
安価ながらルアー釣りにも使えるコスパのよいリールです。
進化した点や他リールとの違いに触れながらインプレしていきます。
バリュープライスリールの雄「セドナ」
「セドナ」はシマノが製造、販売するお手頃価格の汎用スピニングリールです。
2015年に発売され、2017年に一度モデルチェンジ。そして今回2023年に2度目のモデルチェンジを果たしました。
このセドナを通称「23セドナ」と呼びます。
23セドナのラインナップ
23セドナのラインナップは、500番~C5000番までの14モデル。
アジングなどのライトゲームからショアジギングまでこなせる豊富なラインナップです。
品番 | ギア比 | 実用ドラグ力(Kg) | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール径(mm) /ストローク(mm) | 糸巻量 ナイロン (号-m) | 糸巻量 ナイロン (ld-m) | 糸巻量 ナイロン (mm-m) | 糸巻量 フロロ (号-m) | 糸巻量 フロロ (ld-m) | 糸巻量PE (号-m) | 最大巻上長 (cm/ハンドル1回転) | ハンドル 長さ(mm) | ベアリング数BB /ローラー | 夢屋ハンドル ノブタイプ | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500 | 5.6 | 2 | 3 | 170 | 39.5/8 | 1-150 1.5-90 2-70 | – | 0.20-110 | 1-130 1.5-85 2-60 | – | 0.6-185 0.8-140 1-110 | 69 | 40 | 3/1 | A | バリュー プライス |
1000 | 5 | 2 | 3 | 215 | 42/12 | 1.5-130 2-100 2.5-85 | – | 0.18-70 0.20-40 0.25-90 | 1.5-120 2-85 2.5-70 | – | 0.8-240 1-190 | 66 | 45 | 3/1 | A | バリュー プライス |
C2000S | 5 | 2 | 3 | 215 | 42/12 | – | 3-125 4-100 5-75 | 0.14-145 0.16-105 0.18-80 | – | 3-110 4-85 5-65 | 0.6-150 0.8-110 1-80 | 66 | 45 | 3/1 | A | バリュー プライス |
C2000SHG | 6 | 2 | 3 | 215 | 42/12 | – | 3-125 4-100 5-75 | 0.14-145 0.16-105 0.18-80 | – | 3-110 4-85 5-65 | 0.6-150 0.8-110 1-80 | 79 | 45 | 3/1 | A | バリュー プライス |
2500 | 5 | 3.5 | 9 | 240 | 46.5/14.5 | 2-170 2.5-150 3-120 | – | 0.25-160 | 2-140 2.5-125 3-100 | – | 1-320 1.2-270 1.5-220 | 73 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
2500HG | 6.2 | 3.5 | 9 | 240 | 46.5/14.5 | 2-170 2.5-150 3-120 | – | 0.25-160 | 2-140 2.5-125 3-100 | – | 1-320 1.2-270 1.5-220 | 91 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
2500S | 5 | 2.5 | 4 | 240 | 46.5/14.5 | – | 5-110 6-95 8-70 | 0.16-150 0.18-120 0.20-95 | – | 4-130 5-100 6-80 | 0.6-200 0.8-150 1-120 | 73 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
2500S PE1010 | 5 | 2.5 | 4 | 240 | 46.5/14.5 | – | 5-110 6-95 8-70 | 0.16-150 0.18-120 0.20-95 | – | 4-130 5-100 6-80 | 0.6-200 0.8-150 1-120 | 73 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
2500SDH | 5 | 2.5 | 4 | 270 | 46.5/14.5 | – | 5-110 6-95 8-70 | 0.16-150 0.18-120 0.20-95 | – | 4-130 5-100 6-80 | 0.6-200 0.8-150 1-120 | 73 | 40 | 3/1 | A | バリュー プライス |
C3000 | 5 | 3.5 | 9 | 245 | 46.5/14.5 | 2.5-180 3-150 4-100 | – | 0.25-210 0.30-130 0.35-100 | 2.5-160 3-130 4-100 | – | 1-400 1.5-270 2-200 | 73 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
C3000HG | 6.2 | 3.5 | 9 | 245 | 46.5/14.5 | 2.5-180 3-150 4-100 | – | 0.25-210 0.30-130 0.35-100 | 2.5-160 3-130 4-100 | – | 1-400 1.5-270 2-200 | 91 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
4000 | 4.7 | 6 | 11 | 290 | 51/17 | 3.5-170 4-150 5-125 | – | 0.30-180 0.35-130 | 3-190 4-145 5-115 | – | 1-400 1.5-270 2-200 | 75 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
4000XG | 6.2 | 6 | 11 | 290 | 51/17 | 3.5-170 4-150 5-125 | – | 0.30-180 0.35-130 | 3-190 4-145 5-115 | – | 1-400 1.5-270 2-200 | 99 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
C5000XG | 6.2 | 6 | 11 | 310 | 51/17 | 4-190 5-150 6-125 | – | 0.35-175 0.40-120 | 4-170 5-135 6-115 | – | 1.5-400 2-300 3-200 | 105 | 55 | 3/1 | A | バリュー プライス |
各番手に対応する釣りは次の通りです。
番手 | 対応する釣り |
---|---|
500 | アジ・メバル・トラウト |
1000 | |
C2000 | |
C2500 | バス・エギング・アジ・メバル・トラウト |
2500 | バス・エギング・トラウト 防波堤での釣り |
C3000 | |
3000 | シーバス・トラウト・エギング・フラットフィッシュ 防波堤での釣り |
4000 | シーバス・フラットフィッシュ・ショアジギング ライトジギング・防波堤での釣り |
C5000 |
前モデル「17セドナ」からの進化点
ここからは前モデル「17セドナ」から進化した点を見ていきます。
主な進化点は3つ。
- より滑らかで静かな巻き心地に
- 上品でまとまった、高級感のあるデザイン
- 新たに500番をラインナップ
順番に見ていきます。
よりなめらかで静かな巻き心地に!サイレントドライブ搭載
2023シマノフィッシングタックルカタログより「サイレントドライブ」
23セドナでは新たに「サイレントドライブ」を搭載しました。
これはボディの基本設計や駆動部品を見直し、ガタや隙間、揺れをなくすシマノの技術です。
このフラッグシップモデルにも採用される技術を搭載することで、バリュープライスモデルながらなめらかな巻き心地を実現しています。
これにより餌釣りはもとより、リールを巻き続けるルアーフィッシングにも快適に使用できるようになりました。
※500番には非搭載
上品でまとまった、高級感のあるデザインに進化
23セドナは、17セドナに比べより上品で高級感を感じるデザインになりました。
そう感じるのは、23セドナではスプールのエッジと下部のみに差し色のゴールドを配色したからです。
これにより、ハンドルやスプールもゴールドだった17セドナに比べ、デザインがぐっと引き締まりました。
また、ドラグノブにも新たにメッキの加飾が施されており、高級感を感じられるデザインになっています。
新たに500番を追加!ライトゲームに対応
23セドナでは新たに小型の500番をラインナップし、よりライトな釣りに対応できるようになりました。
コンパクトで軽量な500番はライトなロッドとの相性もよく、アジングやトラウトなどのライトゲームも快適にこなせます。
ちなみに、シマノのバリュープライスモデルの中で500番があるのはこの23セドナのみになります。
前モデル「17セドナ」との共通点
2022シマノフィッシングタックルカタログより「17セドナ」
前モデルの17セドナとの共通点は、
金属の塊を200トンの圧力でプレスし、切削なしにミクロン単位の精度で仕上げる
「HAGANEギア」
の他に、
- Gフリーボディ
- AR-C スプール
これらのシマノの技術が搭載されています。
シマノ別モデルとの比較
ここからはシマノの別モデルとの違いを、比較しながら確認していきます。
比較するのは22サハラと21ネクサーブです。
「22サハラ」との比較
2022シマノフィッシングタックルカタログより「22サハラ」
22サハラは、23セドナのワンランク上のエントリーモデルです。
主な違いをまとめてみました。
主な仕様の違い | 23セドナ | 22サハラ |
総ベアリング数 | 3 | 4 (500番は3つ) |
Xシップ※ | 非搭載 | 搭載 |
ハンドル取付 タイプ | キャップ固定式 | ねじ込み式 |
価格(C3000) | 実売価格 約6,500円 | 実売価格 約7,000円 |
ベアリング挿入箇所は以下の通りです。
■23セドナ
・ドライブギア両端(2つ)
・ピニオンギア上部(1つ)
■22サハラ
・ドライブギア両端(2つ)
・ピニオンギア両端(2つ)
「23セドナ」が優れている点
22サハラに比べ、23セドナが優れている点は以下の通りです。
- 本体価格の安さ
逆に22サハラの優れている点は以下の通りです。
・巻きの質感、巻き心地
巻き心地を重視する方は、Xシップ搭載&ねじ込み式ハンドルの22サハラも選択肢に含めるとよいでしょう。
22サハラは過去にインプレしていますので、気になる方はこちらからどうぞ。
「21ネクサーブ」との比較
2022シマノフィッシングタックルカタログより「21ネクサーブ」
続いて、21ネクサーブとの比較です。
21ネクサーブは、23セドナより低価格のバリュープライスモデルです。
主な違いをまとめました。
主な仕様の違い | 23セドナ | 21ネクサーブ |
サイレントドライブ | 搭載 (500番は非搭載) | 非搭載 |
逆転レバー | 搭載 | 非搭載 |
500番の ラインナップ | あり | なし |
ドライブギア材質 | HAGANE (超々ジュラルミン) | 亜鉛ダイキャスト |
ピニオンギア材質 | 超高強度真鍮 | 真鍮 |
自重(C3000) | 245g | 255g |
価格(C3000) | 実売価格 約6,500円 | 実売価格 約4,500円 |
「23セドナ」が優れている点
21ネクサーブに比べ、23セドナは次の3点で優れています。
- 巻き心地
- 内部ギアの耐久性
- 500番のラインナップがある
さらにわずかながら23セドナの方が軽量で、この2機種の間には明確な違いがあります。
21ネクサーブには逆転レバーもありませんので、どうしても逆転レバーが欲しい方は23セドナを選択しましょう。
逆に、21ネクサーブが優れている点は以下の通り。
・値段の安さ
実売価格に2,000円程度の差があるので、とにかく安くリールを手に入れたい方や餌釣りメインの方などには選択肢の一つになるかなと思います。
23セドナのインプレと実釣
さてここからは実際に購入した23セドナのインプレッションにいきます。
まずはファーストインプレッションです。
23セドナ ファーストインプレッション
実際に購入した23セドナの500番について、箱出しの状態で、
- デザイン
- 巻き心地
- 重さ
について触れていきます。
デザイン
まずはデザインです。
シルバーを基調としゴールドのアクセントをさりげなく配置した、落ち着きのあるデザインになっています。
スプールは17セドナに比べ、アクセントのゴールドを控えめに配置し、大人びたデザインに。
17セドナはゴールドだったハンドルも、23セドナではマットシルバーになりました。
ドラグノブ部にもメッキの加飾が施され、17セドナのような安物っぽさは感じません。
もちろんAR-Cスプール搭載。
ハンドルはキャップ固定式。ここは上位機種の22サハラと差別化されている部分です。
巻き心地
箱から出した直後の巻き心地は…
「巻きは重く、特定の場所で引っ掛かるような感じがある」
と感じましたので分解して点検してみました。
特に異物などはなかったため、新たにグリスアップし組み込みました。
すると、とても快適になりました。
組み込み後の巻き心地については、
「わずかにざらつきはあるが、スムーズで巻きもそこまで重くはない」
といった感じになりました。
ちなみに、エサ釣り用に新たに購入した23セドナC3000HGは何も問題ありませんでした。
23セドナに限らず本体価格の安いリールは、精度や組み込みが甘い個体に当たる確率が少なからずありますね。
重さ
重さを実際に計測したところ、172gでした。
バリュープライスモデルのリールで170gは軽いと言っていいでしょう。
23セドナ 実釣インプレッション
実際に購入した23セドナの500番で魚を釣ってみた使用感についてまとめました。
トピックは以下の3つです。
- キャスト性能
- 巻き心地
- ドラグ性能
順番に見ていきましょう。
キャスト性能
キャストの性能ですが、細糸をメインにするなら十分実用的です。
今回の23セドナに限らず、500番は小型化のためにスプールの高さが抑えられており、キャストのフィーリングなどは1000番やC2000番に劣ります。
ですが、0.2号の細糸を使用した今回の実釣では、ノントラブルで問題なく快適に使用できました。
PEラインやエステルラインなら0.4号以下、ナイロンやフロロカーボンラインなら3ld以下くらいが扱いやすいと思います。
また、Xの方ではフェザリングがしにくいとお伝えしました。
普段ライトゲームでは、ベールも大きく開き、本体も大きい21ソアレXRを使っているので違和感がありました。
23セドナ500番と21ソアレXR C2000SSHGのベール開閉角度比較画像
ですが気づかないうちに慣れていて、いつの間にかフェザリングできるようになりました。
コツとしては、少し奥の方にベールを倒す感じです。
こうするとフェザリング時に人差し指にベールが干渉しなくなり快適です。
ちなみに21ソアレXRは過去にインプレしていますので、気になる方は以下からどうぞ。
どうしても500番が欲しいなら、23セドナよりも21ソアレXRの方がよいと思います。
巻き心地
続いて巻き心地です。
箱出しの状態ではよくなかった巻き心地もグリスアップと組み直しにより改善したとお伝えしました。
実釣での巻き心地も、少し重く若干のノイズはありますが問題なく使用できました。
また、キャップ固定式のモデルにありがちなハンドルのがたつきもかなり少なく快適でした。
特にサイレントドライブが搭載される1000番以上はより快適な巻き心地だと思います。
なのである程度重量のあるルアーや、引き抵抗のあるルアーを使う方は1000番以上のモデルを選択するとよいでしょう。
ドラグ性能
ドラグ性能に関しては、価格相応で実用に足る性能と言えると思います。
ただ滑り出しは鈍いので、極細エステルラインでのシビアな設定には向きません。
実釣では0.2号のエステルラインを使用しましたが、魚の突っ込みに追従できずにラインブレイクしてしまうことがありました。
PEラインやナイロン、フロロカーボンなら全く問題ないです。
追加で買ったC3000HGはすこぶる快適!
500番はすこしいまいちでしたのでC3000HGを追加購入しました。
結果、サイレントドライブ搭載で巻き心地もよく、餌釣りからシーバスやキジハタ狙いと様々な釣りに利用中です。
やはり気兼ねなく使えるのは大きなメリットです…!
23セドナのメリット
ここからは実際に購入して使ってみて分かった、23セドナのメリットについてまとめました。
23セドナのメリットは以下の通りです。
- 本体価格の安さ
詳しく見ていきましょう。
メリット:本体価格の安さ
23セドナのメリットは、その手に入れやすい本体価格です。
サイレントドライブ搭載※で、デザイン性も向上した最新モデルが安価で手に入るのはなかなかのメリットでしょう。
※500番には非搭載
23セドナのデメリット
23セドナは使えるバリュープライスモデルですが、デメリットもあります。
デメリット:上位機種との価格差が少ない
メリットの点でも触れましたが、23セドナのデメリットは以下の通り。
上位機種との値段の差が少ない
もともとバリュープライスモデルのリールは価格の安さが売りのリールですが、現状は上位機種である22サハラとの価格差が少なく、うまみが少ないです。
しかし下位モデルである21ネクサーブとは約2,000円も差があります。
なので、
- 23セドナ→餌釣りメインでたまにルアー釣りの方
- 22サハラ→ルアー釣りがメインの方
- 21ネクサーブ→餌釣りがメインの方
このように選び分けるとよいでしょう。
また、4000XGやC5000XGであれば22サハラとの価格差が1,000円以上ありますので23セドナを検討する価値はあるでしょう。
まとめ:ルアーフィッシングもできるバリュープライスモデル!
今回はシマノのバリュープライスモデル、23セドナのインプレでした。
サイレントドライブ搭載でエサ釣りからルアーフィッシングまでこなす万能なバリュープライスモデルである23セドナ。
特にこれから釣りを始める方には検討してほしいリールです。
以上、佑(@yu_iianbai)でした。またね!