今回はシマノのライトソルトゲームの最高峰リール、ソアレXRの紹介です。
結論から言うと、21ソアレXRは
軽量でドラグ性能の高い、ライトゲームに特化した扱いやすいリール
です。
前モデルや他リールと徹底的に比較しながらインプレッションしていきます。
シマノのスピニングリール「ソアレXR」とは
ソアレXRは、汎用スピニングにおいて、海のライトゲームにおけるフラッグシップモデルです。
2014年に発売、2017年にモデルチェンジしたソアレCI4+を前身モデルとして今回2021年に発売されました。
このソアレXRを通称「21ソアレXR」と呼びます。
21ソアレXRのラインナップ
21ソアレXRはライトラインに特化したモデルで、500番からC2500番まで4モデルのラインナップとなっています。
ちなみに、スローな釣りに対応するPG(パワーギア)モデルの500番とC2000番が選べるのは、この21ソアレXRと、下位モデルのソアレBBのみとなっています。
品番 | ギア比 | 実用ドラグ力(Kg) | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | スプール径(mm) /ストローク(mm) | 糸巻量ナイロン(lb-m) | 糸巻量ナイロン(mm-m) | 糸巻量フロロ(lb-m) | 糸巻量PE (号-m) | 最大巻上長 (cm/1回転) | ハンドル 長さ (mm) | ベアリング数 BB/ローラー | 本体価格(円) | 夢屋 スプール タイプ | 夢屋 ハンドルノブ タイプ | 夢屋 ハンドル タイプ | 夢屋 ハンドル スクリュー キャップ タイプ | 夢屋 リール スタンド タイプ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
500SPG | 4.7 | 1 | 3 | 135 | 39.5/8 | 2-115 2.5-100 3-70 | – | 2-90 2.5-80 3-65 | 0.3-140 0.4-100 0.6-80 | 58 | 35 | 8/1 | 37,300 | – | A | H-10 | HC-1 | C |
C2000SSPG | 4.6 | 2 | 3 | 155 | 43/13.5 | 2.5-140 3-100 4-90 | – | 2-170 3-95 4-75 | 0.6-140 0.8-100 1-70 | 62 | 40 | 9/1 | 37,300 | S-27 | A | H-10 | HC-1 | C |
C2000SSHG | 6.1 | 2 | 3 | 155 | 43/13.5 | 2.5-140 3-100 4-90 | – | 2-170 3-95 4-75 | 0.6-140 0.8-100 1-70 | 82 | 45 | 9/1 | 37,300 | S-27 | A | H-10 | HC-1 | C |
C2500S | 5.3 | 2 | 3 | 165 | 43/13.5 | 5-110 6-95 8-70 | 0.16-150 0.18-120 0.20-95 | 4-130 5-100 6-80 | 0.6-200 0.8-150 1-120 | 72 | 45 | 9/1 | 37,900 | S-27 | A | H-11 | HC-2 | C |
前身モデル「17ソアレCI4+」からの進化した点
ここからは前身モデルである17ソアレCI4+からの進化した点を見ていきましょう。
主な進化点は全部で8つです。
- さらなる軽量化
- ローターの剛性アップ
- 不意のベール返りを防止
- キャストのフィーリングと飛距離が向上
- 巻き心地がより滑らかに
- ドラグ性能の向上
- 防水性能もアップ
- C2500番を新たにラインナップ
1.さらなる軽量化
21ソアレXRでは、17ソアレCI4+に比べ、C2000SSPG比較で5gの軽量化に成功しています。
さらにハイギアモデルで比較すると、なんと25gも軽くなっています。
これにより、アジングやメバリングなどのライトな釣りがより快適になりました。
2.ローターの剛性アップ
21ソアレXRでは、ヴァンキッシュにも搭載された「Newマグナムライトローター」を搭載しました。
Newマグナムライトローターとは、
- ベールリターン機構の取付位置の変更
- ラインローラーの軽量化
- ベールのチタン化
- ローラー肉厚の最適配置
を行ったものです。
これにより回転慣性が最大約14%低減し、ローター剛性を最大30%強化することに成功しています。
※500SPGは非搭載
3.不意のベール返りを防止
21ソアレXRでは、なめらかな感触を追求した新設計のベール開閉機構を採用。開閉角度が広く、不意のベール返りを防ぎます。
また、大きく開くことにより、フェザリング性も向上しています。
4.キャストのフィーリングと飛距離が向上
スプールの糸巻部の幅を長くし、キャスト後半のラインの減りを抑えてキャストフィールと飛距離の向上に貢献する「ロングストロークスプール」を搭載。
これにより、キャストのフィーリングが向上し、飛距離アップにつながります。
※500SPGは非搭載
5.巻き心地がよりなめらかに
21ソアレXRでは、最新のギアの歯面設計とシマノの製造技術によって進化した「マイクロモジュールギアⅡ」を搭載。
また、ボディ、駆動関連部品の見直しを行い部品間の微細なガタ、隙間、揺れを排除した「サイレントドライブ」も搭載しました。
これによって、より滑らかで静粛性をともなう巻き心地に進化しています。
※500SPGは非搭載
6.ドラグ性能の向上
21ソアレXRでは、「ハイレスポンスドラグ」という掛けた魚のスピード変化に対するレスポンスのよい特殊なドラグ機構を搭載しています。
これにより、例えば極細ラインを使用する際にも、ライン切れを防ぐことができます。
また、魚の不意な突込みにも対応しやすくなっています。
7.防水性能もアップ
21ソアレXRは17ソアレCI4+の「コアプロテクト」から、非接触型の防水機構の「Xプロテクト」にグレードアップしています。
これは、従来のコアプロテクトの撥水機能とラビリンス構造を複合することで高い防水性能を実現する技術です。
これにより、非接触型の防水機構ながら高い防水性能を発揮します。
※500SPGはラインローラー部のみ採用
8.C2500番を新たにラインナップ
21ソアレXRでは、新たにC2500Sをラインナップしています。
これにより、ヘビーなマイクロジグやキャロライナリグ、フロートの釣りや大物メインのエリアの釣りなど糸巻量が必要な状況に対応できるようになりました。
前身モデル「17ソアレCI4+」との共通点
2018シマノフィッシングタックルカタログより「17ソアレCI4+」
前身モデル「17ソアレCI4+」共通点は、ドラグ性能向上につながる「リジットサポートドラグ」のほかに、
- 「HAGANEギア」
- 「Xシップ」
- 「Gフリーボディ」
- 「A-RCスプール」
- 「CI4+」
- 「S A-RB」
- 「ワンピースベール」
これらのシマノの技術が搭載されています。
シマノの別モデルとの比較
ここからは別モデルのスピニングリールとの違いを、21コンプレックスXRと、20ヴァンフォードとの比較をもとに確認していきます。
「21コンプレックスXR」との比較
シマノHPコンプレックスXRより
今回インプレする21ソアレXR C2000SSHGと、同じくシマノの21コンプレックスXR C2000 F4 HGを比較すると、糸巻量とデザイン以外は同じ性能であることがわかりました。
一応シマノにも製品に関して問い合わせましたが、やはり糸巻量とデザイン以外は同等性能とのこと。
ですのでC2000番のハイギアに関しては、糸巻量に納得できるなら、デザインの好きな方を選ぶ、といった感じで21コンプレックスXR F4 HGも候補になりますね。
また、21ソアレXRにはノーマルギアは存在しないので、同等性能でノーマルギアが欲しい方は、21コンプレックスXRのC2000 F4がおすすめです。
2500番台での比較は以下の表にまとめました。
ソルトのライトゲームにおいて2500番台比較では、ちょうどいい糸巻量や軽さ、ドラグの性能から21ソアレXRに分があるかなと感じます。
「20ヴァンフォード」との比較
シマノHPヴァンフォードより
お次は20ヴァンフォードとの比較です。
21ソアレXRと、20ヴァンフォードの主な違いを下記の表にまとめました。
機能・性能 | 21ソアレXR | 20ヴァンフォード |
自重(g) | 155 (C2000SSPG/SSHG) | 150 (C2000S/SHG) |
リジットサポートドラグ | あり | なし |
ハイレスポンスドラグ | あり | なし |
500番のラインナップ | あり(500PG) | なし |
PG(パワーギア)の ラインナップ | あり 500PG C2000SSPG | なし |
価格(税別) | 37,300円~37,900円 | 32,700円~ 36,900円 |
ライトゲーム前提で比較すると、やはり特化モデルで新しい21ソアレXRのよさが目立ちます。
ライトゲームでの使用がメインなら、わざわざ20ヴァンフォードを選ばなくてもよさそうです。
ただ、以下の条件にすべて当てはまる方、
- C2000SかC2500Sを使用する
- PG(パワーギア)は不要
- そこそこのドラグ性能で充分
- なるべく安く軽量なモデルが欲しい
こういった方は、実売価格で約3,000円安い20ヴァンフォードも選択肢の一つとして検討してみてもいいかもしれません。
みんなの口コミと評価
インプレッションに移る前に、他購入者様の口コミを見ていきます。
よい口コミ
よい口コミでは、巻きの軽さとなめらかさ、自重の軽さ、ドラグ性能を評価している方がかなり多く見られました。
とても満足
ソアレXR C2000SSPGを購入しました。
本体は軽量、巻きは軽くなめらかです。しっとりしている感じ
評価通りの巻き心地
ソアレXR C2000SSPGを購入しました。
本体が軽く、細身のノブで使いやすい。
よい商品
ソアレXR C2000SSHGを購入。
ドラグの調整も簡単で、スムーズに効いてくれます。
ライトライン特化モデルの高い性能に満足している方が多く、ハイパフォーマンスなリールであることが伺えます。
わるい口コミ
取引業者や初期不良に対する口コミは散見さますが、商品自体のわるい口コミは少なく、探すのに苦労しました。
以下、僕が見つけた唯一の製品に対する悪い口コミです。
ドラグ性能が
ドラグが出まくるか全くでないかという感じ。外れ個体でしょうか。
21ソアレXRはハイレスポンスドラグが搭載されていますので、人によっては極端なドラグ性能に感じてしまうのでしょうか。
ドラグ性能に関しては、この後の実釣にて確かめていきます。
21ソアレXR C2000SSHGのインプレ
ではここからは実際に購入した21ソアレXRに触れながらインプレッションをしていきます。
ファーストインプレッション
ここでは、箱出し状態のデザイン、巻き心地、重さにの3つについてみていきます。
デザイン
まずはデザインから見ていきましょう。
ボディ、ローター、ハンドルやスプールに至るまでブラックで仕上げられています。
このブラックは、低価格帯に見られるチープな光沢感や無機質なつや消し塗装ではなく、つやがありながらもマットで上品、高級な仕上がりです。
また、ハンドルとスプールのゴールドの差し色も質感がよく、デザインのよいアクセントとなっています。
ベールとラインローラーの色合いは、差し色のゴールドとは少し違うものの、違和感を与えず全体のデザインになじんでいます。
スプール内部には、水の侵入を防ぐ「ローターツバ」というパーツがつけられ、防水性能が向上していることがわかります。
XRシリーズのリールスプールに共通の、X型の肉抜きは、ブラックのカラーと相まっていやらしくないデザインアクセントになっています。
肉抜きされた細身のハンドルは、デザイン性もよく軽量化されたボディやスプールとよくマッチしています。
ちなみに、ハンドル逆転レバー(ストッパーの切替機構)はありません。
巻き心地
お次は巻き心地です。
箱出し状態での巻き心地は、
「しっとりしているけど軽くはないな」
というのが第一印象でした。
小型番手のハイギアモデルなのでそこまで期待はしていませんでしたが、数回釣りをすると駆動部がなじんできたのか、少し巻きが軽くなりました。
またリーリング時のハンドルのがたつきも、実釣中はまったく気にならず快適です。
重さ
続いては重さを実際に計測してみました。
実測結果は155.5gでした。
C2000のハイギアで155gは、文句なく軽いと言えます。
軽量なロッドと組み合わせることで、より操作感や感度が向上するでしょう。
アジングで実釣インプレ
続いては実釣インプレです。実際にアジングで試してみました。
メインラインには8本編みのPE0.4号、リーダーはフロロカーボンの4ldで実践です。
軽く、快適
今回のアジングでは自重63gのロッドと合わせて使用しました。
やはり軽いために疲れにくく、長く釣りを続けることができました。
また軽いので感度もよく、繊細な魚の当たりも感じることができました。
心地よい巻き感
実釣では、超軽量ジグヘッドから10gのフロートリグまで様々な釣り方で巻いてみましたが、なめらかでよい巻き心地だなと感じました。
ハイギアモデルなので回収も早く、サーフでの釣りやメタルジグを遠投するような釣りでもストレスを感じませんでした。
ドラグ性能は高い!
口コミにあった「ドラグが出るか止まるか極端」というレビューにより懸念していたドラグ性能ですが、実釣では優秀なドラグだと感じました。
なぜかというと、ドラグの滑り出しはよく、かつ「しっかりと止まる」からです。
今回の実釣ではテトラや岩礁付近、波打ち際などでしっかりと魚を寄せたい場面もありました。
そんなとき、しっかりと止まって魚を寄せてくれるドラグは使いやすく、助けられました。21ソアレXRのドラグ性能は間違いなく秀逸だと感じました。
エステル0.25号+0.8号のフロロカーボンラインの組み合わせでも、全く問題なく快適に使うことができました。
エリアトラウトで実釣インプレ
続いてはエリアトラウトで実践です。
やはり軽さは正義
軽量なタックルが多いエリアトラウトですが、21ソアレXRは勝るとも劣らない軽量さで、トラウトロッドにセットして使用しても快適でした。
今回は20匹程度のマスを釣りましたが、ライントラブルは一切起こりませんでした。
緩めのドラグでもしっかり止まる
今回のエリアでの釣りでは、超細糸の使用を想定してかなり緩めなドラグ設定で釣りをしました。
結果、かなり緩めのドラグ設定であっても、滑り出しがよく、しっかりと止まる優秀なドラグであることを改めて確認できました。
この21ソアレXRは、ラインブレイクしてしまった時にドラグを言い訳にはできません。それくらい高性能なドラグ性能を持っています。
ハイギアは好み分かれそう
今回はハイギアモデルでの釣りでしたが、エリアトラウトにおいては、同じ21ソアレXRでもパワーギアモデルの方が巻き感もよくデッドスローな釣りもやりやすいです。
ノーマルギアが欲しい方は糸巻量とデザイン以外は同じ性能の21コンプレックスXRがおすすめです。
ソルトとエリアトラウトの兼用を考えている方は参考にしてみてください。
21ソアレXRのメリット
ここからは実際に21ソアレXRを使ってみて分かったメリットをまとめました。
メリットは次の3つです。
- 手ごろな価格
- 高いドラグ性能
- 軽い本体重量
21ソアレXRは、ハイエンドモデルの半額以下の手ごろな値段ながら、ハイエンドモデルに迫る性能を実現した高性能なライトゲームリールです。
21ソアレXRのデメリット
21ソアレXRは、ライトラインに特化したよいリールですが、あえてデメリットを上げるとすれば以下の通りです。
- 巻きの軽さがあと一歩
ハイギアモデルを買っておいて何ですが、欲を言えばもう少し軽いといいなとは感じます。
まとめ:21ソアレXRは手の届く高性能リール
21ソアレXRは、手ごろな価格ながらライトゲーム性能の高いリールであることが分かっていただけたと思います。
特にライトラインゲームにおいて、ドラグの性能等、釣果アップに直結する性能を有しています。
ライトな釣り、特にソルトのライトゲーム好きにはぜひ候補にしてほしいリールです。
以上、佑(@yu_iianbai)でした!