今回はダイワのスピニングリール、23レガリスの紹介です。
結論から言うと、23レガリスは
低価格なのに軽く、充分な性能を持ったバランスのよいリール
です。
では、スペック紹介、比較、インプレッションと順にみていきましょう!
ダイワ製の軽量エントリーモデル「レガリス」
ダイワのレガリスは実売価格10,000円前後のスピニングリールです。
このリールはコストパフォーマンスが高く、特に本体重量の軽さが売りのエントリーモデルになります。
2012年に発売され、一度カタログから外れましたが、2018年にLTコンセプトを採用し復活しました。
そんなレガリスですが2023年9月にニューモデルが発売されました。このレガリスを通称「23レガリス」と呼びます。
「23レガリス」のラインナップ
23レガリスは1000番から6000番まで計11機種のラインナップ。
アジングなどのライトゲームからショアジギングまで様々な釣りに対応可能です。
品番 | ギア比 | 最大ドラグ力(Kg) | 自重(g) | 糸巻量ナイロン (ld-m) | 糸巻量PE (号-m) | 巻き取り長さ (cm/ハンドル1回転) | ハンドルアーム長(mm) | ハンドルノブ 仕様 | ベアリング数BB /ローラー | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LT1000S | 5.2 | 5.0 | 175 | 2-120 2.5-100 3-70 | 0.2-210 0.3-200 0.8-70 | 64 | 40 | HG-Iライト | 5/1 | 11,600円 |
LT2000S-P | 4.8 | 5.0 | 175 | 2.5-200 3-150 4-100 | 0.4-200 0.5-170 0.6-150 | 63 | 45 | HG-Iライト | 5/1 | 11,600円 |
LT2000S-XH | 6.2 | 5.0 | 175 | 2.5-200 3-150 4-100 | 0.4-200 0.5-170 0.6-150 | 81 | 45 | HG-Iライト | 5/1 | 11,600円 |
LT2500D | 5.3 | 10.0 | 190 | 8-220 10-190 12-150 | 1.0-360 1.2-300 1.5-230 | 75 | 50 | HG-T | 5/1 | 12,600円 |
LT2500S-XH | 6.2 | 5.0 | 185 | 4-150 5-120 6-100 | 0.6-200 0.8-190 1.0-140 | 87 | 50 | HG-Iライト | 5/1 | 12,600円 |
LT3000D-C | 5.3 | 10.0 | 195 | 10-260 12-200 16-150 | 1.2-430 1.5-300 2-230 | 80 | 50 | HG-T | 5/1 | 13,100円 |
LT3000-CXH | 6.2 | 10.0 | 200 | 8-150 10-120 12-100 | 1.0-200 1.2-190 1.5-170 | 93 | 55 | HG-T | 5/1 | 13,100円 |
LT2500S-DH | 5.3 | 5.0 | 200 | 4-150 5-120 6-100 | 0.6-200 0.8-190 1.0-140 | 75 | 90 | HG-Iライト | 5/1 | 13,600円 |
LT4000-CXH | 6.2 | 12.0 | 225 | 10-190 12-150 14-130 | 1.2-310 1.5-200 2.0-170 | 99 | 60 | パワーライトタイプEVA(M) | 5/1 | 13,600円 |
LT5000-CXH | 6.2 | 12.0 | 245 | 10-330 14-230 20-150 | 1.5-430 2.0-300 2.5-260 | 105 | 60 | パワーライトタイプEVA(L) | 5/1 | 14,100円 |
LT6000D-H | 5.7 | 12.0 | 310 | 14-310 20-250 30-150 | 2.5-420 3.0-300 4.0-220 | 101 | 65 | パワーライトタイプEVA(L) | 5/1 | 15,100円 |
「23レガリス」の進化した点
ここからは前モデルである「18レガリス」からの進化した点を見ていきましょう。
主な進化点は6つあります。
- ローターの軽量化でより軽やかに!
- ベールの軽量化でレスポンス、操作性向上!
- ZAION V製ボディ&ローターで強く、軽い!
- ねじ込み式ハンドル採用で巻きの質感UP!
- ドラグの初動の滑り出しがよりスムーズに!
- 4000番以上は握りやすいラウンド型ハンドルノブ採用
順番に見ていきましょう!
ローターがより軽く!エアドライブローター
23レガリスでは、ダイワが掲げるスピニングリールの設計思想であるエアドライブデザインのひとつである「エアドライブローター」を採用しています。
このローターデザインは、不要な肉を徹底的に削ぎ落とし、剛性を維持したまま、大幅な軽量化を実現したものです。
これにより操作性と巻き出しの軽さが飛躍的に向上しています。
回転慣性を大幅低減!エアドライブベール
23レガリスでは、ワイヤータイプの「エアドライブベール」が採用されています。
これはベールも含めたローターユニットの軽量化を狙ったもので、エアドライブローターとの相乗効果で回転慣性の低減化につながっています。
これにより、回転のレスポンスがよくなり操作性が向上しています。
また、アームレバー部の形状も見直され、これによって糸絡みが軽減します。
カーボンハイブリッド樹脂で強くて軽い!ザイオンV
23レガリスでは、ボディとローターにダイワのカーボン繊維入り強化樹脂である「ザイオンV」を採用しています。
これにより剛性アップと軽量化(前モデル比※1で20g)に成功しています。
※1:LT2500S-XHでの比較
がたつき少なくカスタマイズ性UP!ねじ込み式ハンドル
23レガリスでは、ドライブギアにハンドルを直接ねじ込む「ねじ込み式ハンドル」が採用されました。
これにより「共回りハンドル」仕様の18レガリスと比べ、リーリング時のがたつきが抑えられ、巻きの質感アップにつながっています。
初動の滑り出しがよいドラグ!ATD TYPE-L
ダイワグローバルブランドサイト「イグジスト マチュア―テクノロジー」より
23レガリスでは、魚の引きに合わせて作動するダイワのドラグシステム「ATD※2」の初期の滑り出しがより滑らかな「ATD TYPE-L」が採用されました。
これによりラインへの負荷が軽減され、ライトライン使用時もトラブルなく快適になりました。
※2:オートマチックドラグシステムの略称
握りやすいラウンド型ハンドルノブを大型番手に採用
ダイワ「レガリス製品ページ」より
23レガリスの4000番以上の大型番手には、握りやすく力の入れやすいラウンド型のノブ「パワーライトタイプEVAノブ※3」が採用されました。
これにより力の必要な釣りにおいても、より握りやすくスムーズに巻き取れます。
※3:LT4000-CXHはパワーライトタイプEVAノブ(M)、LT5000-CXH、LT6000D-HはパワーライトタイプEVAノブ(L)を採用
「23レガリス」と前モデルとの共通点
ダイワフィッシングタックル2020カタログより「18レガリス」
ここからは前モデルの「18レガリス」との共通点を見ていきましょう。
18レガリスとの共通点は、タフデジギアをはじめ
- パーフェクトラインストッパー
- LC-ABS※1スプール
これらのダイワの技術が搭載されています。
※1:ロングキャスト-アンチバックラッシュシステムの略称
ダイワの別モデルと「23レガリス」の比較
ここからはダイワの別リールとの違いを、24レブロスと21フリームスとの比較で確認していきます。
「23レガリス」と24レブロスの比較
ダイワ「24レブロス」
まずは23レガリスの1つ下のモデルとなる24レブロスとの比較です。
わかりやすい違いを表にしてみました。
「23レガリス」が優れている点
24レブロスに比べ、23レガリスは下記の4つの点で優れています。
- ボールベアリングが1つ多く、巻き心地が良い
- ボディ、ローターが軽く剛性があり、巻きが軽く、パワフル
- 4000番以上の番手はラウンドノブ採用で握りやすい
- 本体重量が軽く、扱いやすく疲れにくい
逆に、24レブロスが優れているのは本体価格の安さです。
これは実売で3,000円前後の差になります。
個人的にはより軽く、性能のよい23レガリスの方が総合的に優れていると思います。
ですが、24レブロスも低価格ながらよくできたリールなので、予算的に厳しいという方にはおすすめです。
「23レガリス」と21フリームスの比較
次は23レガリスのワンランク上のモデル、21フリームスと比較してみましょう。
わかりやすい違いを表にしてみました。
主な仕様の違い | 23レガリス | 21フリームス |
防水機構 | なし | マグシールド (ボディ) |
ダブルハンドル 設定 | あり | なし |
本体重量 (LT3000-CXH) | 200g | 210g |
価格 | 11,600~15,100円 | 17,100~21,300円 |
※21フリームスの画像はダイワフィッシングタックル2022カタログより
「23レガリス」が優れている点
21フリームスに比べ、23レガリスは下記の3つの点で優れています。
- ダブルハンドル設定がある(LT2500S-DH)
- 本体重量が少し軽め(LT3000-CXH比較で10g軽量)
- 価格が安い(実売価格で1,000~2,000円ほど安い)
逆に、21フリームスが優れている点は防水機構のマグシールドのみです。
シマノの同価格帯モデルと「23レガリス」の比較
さてここからは、シマノの同価格帯のモデルと比較してみましょう。
「23レガリス」と21ナスキーの比較
シマノの同価格帯のモデル、21ナスキーとの比較です。
わかりやすい違いを表にしてみました。
主な仕様の違い | 23レガリス | 21ナスキー |
防水機構 | なし | コアプロテクト |
本体重量 (3000番比較) | 200g (LT3000-CXH) | 240g (C3000HG) |
ボディ、ローター素材 | ZAION V (カーボン強化樹脂) | 高強度樹脂 |
ボールベアリング 挿入箇所 | オシレートギア | ハンドルノブ |
価格 | 11,600~15,100円 | 11,100円~15,000円 |
※21ナスキーの画像は2022シマノフィッシングタックルカタログより
「23レガリス」が優れている点
21ナスキーに比べ、23レガリスは以下の2つの点で優れています。
- 軽い(3000番比較で40g軽量)
- カーボン強化樹脂で剛性感がある
逆に、21ナスキーが優れているのは防水機構があることです。
また過去の経験から、巻きのなめらかさ、耐久性の高さではシマノの21ナスキーに軍配が上がると思います。
「23レガリス」のインプレ
ここからは実際に購入した23レガリスのインプレにいきましょう。
まずはファーストインプレッションです。
23レガリスのファーストインプレッション
ここからは箱出しの状態でデザイン、巻き心地、重さについて触れていきます。
デザイン
まずはデザインを見ていきましょう。
全体的に落ち着いたまとまりのあるデザインに仕上がっています。
ブラックのボディとメッキのシルバーというモノトーンに、ハンドルとスプールのゴールドがいいアクセントになっています。
ローターはエアドライブローター採用。巻き出しが軽く本体の軽量化にも寄与します。
ベールはワンピースではありませんがエアドライブベール採用。回転レスポンスの向上に一役買っています。
ベールの継ぎ目にラインが引っ掛かるかどうかは後半の実釣インプレにて触れます。
そして、
ベールの開閉時に音が鳴るようになりました。
ハンドルはねじ込み式ハンドル。巻きの質感が向上しています。
最近では珍しい逆転レバーを搭載しています。
巻き心地
次は巻き心地です。
箱出し状態での巻き心地は、
「XHモデルながら巻きだしも重くなく、巻き心地も悪くはない」
そんな印象を受けました。
ただ、巻き心地には少しざらざらとした雑味があり、リーリング時の音も大きめです。(気になるほどではない)
巻きに関しては値段相応といったところでしょう。
重さ
最後は重さです。実際に計測してみました。
今回購入した23レブロスLT3000-CXHのカタログ表記重量は200g、実測では198gでした。
実売価格1万円前後のリールのC3000番で200gは充分軽いです。
軽量なロッドと組み合わせても違和感なく使えるでしょう。
23レガリス実釣インプレ
実際に購入した23レガリスで釣りをして感じた使用感についてまとめました。
トピックは次の4つです
- 扱いやすさ
- キャストのフィーリング
- 巻き心地
- ドラグ性能
順番に見ていきましょう。
扱いやすさ
今回、23レガリスを使ってみたところ、かなり扱いやすいリールだと感じました。
これはザイオンVやエアドライブローター採用による軽量化によるものが大きく、また、ベール開閉時のクリック音の追加など、細かなアップデートも効いています。
さらに本体価格が安いため、気兼ねなく使えるところも扱いやすさに繋がっています。
逆転レバーもあるため防水性能は期待できませんが、安価で軽量、充分な性能を持っているためガンガン使える、そんなリールです。
キャストのフィーリング
LC-ABS搭載でキャストのフィーリングは良好です。
個人的にはシマノのロングストロークスプール搭載機種並みのフィーリングだと感じます。
ロングストロークスプールは現状、21アルテグラ(17,500円~21,900円)からの搭載です。
なので、23レガリス(11,600~15,100円)のキャストフィーリングは価格以上に良いと言えるでしょう。
巻き心地
23レガリスの巻きの質感は価格相応ですが、巻き出しは軽快で快適です。
また、大径なドライブギアのおかげで巻き続けるのも楽です。
箱出し状態では気になった巻きの雑味も、実際の釣りでは気になりませんでした。
今回使用したのはエキストラハイギアでしたが、ノーマルギアやハイギアの方がさらに巻き出しが軽いはずで、その方がリールの特性にも合いそうだと感じました。
ドラグ性能
ドラグは秋のアオリイカや小型の青物程度であれば充分な性能です。
23レガリスの下位機種である20レブロスでは、緩めの設定時にラインが出すぎてしまうような違和感がありました。
ですが23レガリスでは緩めでもしっかりと止まってくれるため、いたって普通に使用できました。ATD TYPE-Lにバージョンアップされているからかもしれません。
23レガリスを選ぶメリットとデメリット
ここからは実際に購入し釣りをしてみて分かった、23レガリスのメリットとデメリットについてみていきましょう。
メリット
メリットは次の3つです。
安くて軽い
様々な釣りに対応
ロッドと合わせやすいデザイン
1ずつ見ていきましょう。
メリット:安くて軽い
23レガリスは実売1万円前後という低価格では、最も軽量です。
本体重量が軽いため疲れにくいので、長時間釣りをすることができます。
また軽量で扱いやすく、軽量なロッドとの組み合わせでもその利点を損なうことはありません。
安くて軽いリールが欲しい方には、今回の23レガリスがベストでしょう。
メリット:様々な釣りに対応
23レガリスはその豊富なラインナップと充分な性能で様々な釣りに対応できます。
小型~大型番手のラインナップに、エキストラハイギアモデル、ダブルハンドルモデルも用意されています。
また、価格も安価なことからリールが汚れがちな餌釣り等にも気兼ねなく使えます。
ルアーフィッシングにおいても、軽く扱いやすいので、エリアトラウトやアジングからエギング、シーバス、ショアジギングまでマルチに対応できます。
メリット:ロッドと合わせやすいデザイン
23レガリスは、モノトーンのベースにゴールドの差し色、という落ち着きのあるデザインで様々なロッドと組み合わせやすいです。
また、低価格ですが安っぽさは感じられないので、割と高価なロッドと合わせてもさまになります。
これはユーザーの選択の可能性を広がるよいメリットです。
デメリット
低価格で軽くて優秀な23レガリスですが、デメリットも感じました。
巻きの質感が今一歩
詳しくみていきましょう。
巻きの質感が今一歩
23レガリスの巻きの質感は決して悪くはないのですが少し雑味があり、ここら辺は値段相応といった感じです。
もし、吊るしの状態での巻き心地が優先なら、シマノの21ナスキーや22サハラなども検討するとよいでしょう。
23レガリスをおすすめできる人
実際にどんな人におすすめなのか、実釣インプレで感じたメリット、デメリットを踏まえまとめました。
- 安くて軽いリールが欲しい人
- 低価格でもしっかり使える性能が必要な人
- 気兼ねなくガンガン使えるリールが欲しい人
23レガリスは軽く、実用充分な性能を持つ低価格な汎用スピニングリールです。
特にリールの「軽さ」と「価格の安さ」を重視する方には自信をもっておすすめできます。
まとめ:「23レガリス」は安価で軽量、高性能リール!
今回は2023年9月に発売されたダイワのスピニングリール、23レガリスの紹介でした。
ZAION Vやエアドライブデザインを一部採用するなど、実売価格1万円前後ながら性能高く、軽量なリールです。
以上、佑(@yu_iianbai)でした。またね!