「トラブって使い物にならない!」「全く問題なく快適!」
様々な意見があるシマノの密巻き、インフィニティループ。
この記事では、シマノの密巻きスピニングリールを使いこなすコツを5つ紹介します。
また、どうしてもライントラブルが起こってしまう方への対処法2選も解説。
密巻きの「解除」に関しても触れていきます。
密巻きリールを快適に使用するためのポイント5選
まだ洗練されていなかった20年前のスーパースローオシュレートを工夫しながら使い、現在も22ステラや24ツインパワーで密巻きを使い続けている筆者。
そんな筆者が今現在も実践している方法は以下の通りです。
- 極端な太さのラインは避ける
- ラインを巻きすぎない
- 糸巻き形状を平行~緩めの逆「ハの字」に調整する
- フェザリングで余分な糸ふけを出さない
- テンションを掛けてラインを巻き取る
ひとつずつ確認していきましょう。
➀極端な太さのラインは避ける
極端な太さのラインは避けましょう。
スピニングリールでは、投げたルアーがラインを引っ張ることで、スプールに巻き付けられたラインが順番にばらけながら放出されます。
そのとき極端に太いラインだと、投げたルアーがラインを引っ張る前に、スプールに巻き付けられているラインがたるみます(ラインのハリがあるため)。
それを放出されていくラインが拾ってしまってトラブルになります。
逆に超極細ラインなどの場合も、巻き付けのテンションが緩くなりがちでトラブル率があがります。
ですので、極端な太さのラインを避けるとライントラブルの可能性を下げることができるというわけです。
ちなみに、ロッドにも適合するラインの太さの範囲ががあります。
この範囲を外れた太さのラインを使用すると、ライントラブル確率が上がります。
使用前に確認しましょう。
②ラインを巻きすぎない
メーカーが推奨糸巻き量より多く巻かないでください。
ラインの巻きすぎは、どんなリールでもライントラブルのもと。
特に密巻き機構を搭載するリールでは注意が必要です。
シマノスピニングリールの取扱説明書では、スプールエッジまでラインを巻いてくださいとの記載がありますので、それを遵守しましょう。
シマノスピニングリールの取扱説明書より
ですが、糸巻き量が少し少ないのは問題ありません。
筆者は20年前の密巻きではトラブル回避のため、わざと少ない糸巻量で使用していました。
トラブルが怖い方は、スプールエッジぴったりより、ほんの少し糸巻き量を減らすことをおすすめします。
これによりラインがどばっと放出されトラブルになる可能性を下げられます。
問題になるのは巻きすぎの方です。
特に密巻きリールはラインの放出抵抗が少ないために、スプールエッジより多いラインはまず間違いなく一気に放出されトラブります。
巻きすぎた様子。次の釣行時にしっかりトラブりました…
欲張って糸を巻きすぎると100%ライントラブルが起き、結局ラインを失いノットを組み直す羽目になります。
- ラインはスプールエッジまで巻く
- 糸が少し少ないくらいは大丈夫
- 多めに巻くのは絶対NG
これだけ覚えて実践していただければ、ライントラブルが発生する確率をかなり減らせます。
③糸巻き形状を平行~緩めの逆「ハの字」に調整する
糸巻き形状は平行~緩めの逆ハの字に調整しましょう。
なぜなら、ハの字型になってしまうとドラグノブ側のラインがばらけやすくなります。
そのばらけたラインを放出中のラインが拾って絡まってしまのです。
下図のシマノスピニングリール取説の写真を見やすくしたものです。
参考にしてください。
シマノスピニングリールの取扱説明書より
気を付けてほしいことは以下の3点です。
- 糸巻き形状は平行から緩めの逆ハの字に調整
- ハの字型は避ける
- 下巻きの形状も調整する
また、ラインの太さが変化すると巻き取り形状も変化します。
細糸は逆ハの字に、太糸はハの字になりやすいです。
ですので、下巻きとメインラインの太さが異なる場合、どちらも平行に巻くために下巻き時と上巻き時とで2回調整することになります。
少し手間に感じるとは思います。
ですが、密巻きのリールを快適に使うために欠かせない調整です。
④フェザリングで余分な糸ふけを出さない
キャスト後はしっかりとフェザリングを行いましょう。
フェザリングは、キャスト後から着水までの間で、人差し指でスプールリングをさわり、ラインの放出や着水後の糸ふけをコントロールするテクニック。
特にラインの放出抵抗の少ない密巻きのリールにおいて、糸ふけを抑えて巻き始めることがトラブル回避するのにとても重要です。
なぜなら、糸がふけたまま巻きだしてしまうと、スプール以外のところにラインが巻かれ、次のキャストでそれが原因でトラブルになってしまうからです。
着水までにフェザリングを行いラインのたるみがない状態から巻き始めましょう。
次のキャストでのライントラブルの回避につながります。
⑤テンションを掛けてラインを巻き取る
テンションを掛けてラインを巻き取ることを意識しましょう。
釣りの中では、渓流のルアーやエギングのように、ラインを張りにくい釣りもあります。
ですがそんな釣りにおいても、テンションを掛けてラインを巻くことはライントラブルを回避するうえで重要。
ですので、ロッドの先端からルアーまでのラインを張る、というよりも、スプールに巻き取るラインのテンションを意識してみましょう。
具体的には、ラインに対し直角になるようロッドを操作して巻き取るなどです。
こうすることで少しではありますが巻き取り時の抵抗が増え、ライントラブルを減らせます。
または、いつも以上にラインを巻き取ることも、トラブル回避に効果的です。
巻き取りの速いハイギアモデルを使用するのもよいでしょう。
とにかくテンションをかけながらラインを巻くことを意識しましょう。
どうしてもトラブル方へのおすすめ対処法2選
24ツインパワーでできたエアノット。深いところでできたためライン交換となりました…
とは言え、やはり「密巻き」は普通のリールよりトラブりやすく気をつかうのは事実。
「どんなに気を付けてもトラブルが起こる…」
そんな方もいらっしゃると思います。
密巻き仕様にするかどうかをユーザー側が選べればいいのですが、
シマノの上位モデルはすべて密巻き仕様なのでそれはできません。
なので現状は以下のような対処がおすすめです。
- 密巻き非搭載リールをメインで使う
- 適材適所でリールを使い分ける
順番に確認していきましょう。
密巻き非搭載リールをメインで使う
1つ目は、「密巻き非搭載のリールをメインに使う」です。
具体的にはシマノであれば以下の2機種がおすすめ。
- 23ストラディック
- 24ヴァンフォード
この2機種はどちらもシマノの中堅グレードです。
密巻き機種にも採用されるライントラブル防止機構「アンチツイストフィン」が搭載されています。
実際筆者も23ストラディックを使いましたが、ライントラブルは一度も起こりませんでした。
「俺はステラかツインパ使いたいんじゃ!」
という方にとって根本的な解決にはならないのが悲しいところですが…
適材適所でリールを使い分ける
2つ目は「適材適所でリールを使い分ける」です。
具体的には、ライントラブルが起きやすい釣りでは密巻き非搭載機種を使い、
それ以外では密巻きリールを使うということです。
- エギング
- 磯場のヒラスズキ
- 渓流のネイティブトラウト
- 風の強いサーフでの釣り
上記のような釣りでは、ラインがたるみやすくトラブルが起きる確率も上がります。
なので、そういったところでは密巻きでないリールで釣りをします。
そしてトラブルが比較的起きにくい釣りでは密巻きリールを使用するというわけです。
これなら密巻きリールの釣り味を存分に味わうことができます。
欠点は同じ番手でもリールを2台用意しなければならない場合があることです。
密巻きの「解除」はやめておこう
ネットで「脱インフィニティループ」と検索すると、密巻きを解除した24ツインパワーの情報が散見されます。
ですが正直、おすすめはできません。
なぜなら以下のデメリットがあるからです。
- 十分な知識が必要
- 精密な加工が必要
- メーカー保証対象外になる
密巻き解除にはシマノの別リールのパーツの流用、及び加工が必要。
リールは作りが精密なので加工をしくじるとフィーリングの悪化はもちろん、最悪の場合破損に繋がります。
当然、分解も必要なのでメーカー保証対象外となります。
デメリットが大きいのでおすすめできません。
また、同様に密巻き解除済リールを購入するのも避けた方がよいでしょう。
まとめ:ポイント抑えてトラブル確率を減らそう!合わないなら非密巻きリールもあり!
今回は密巻きリールを快適に使用するポイントを5つ紹介しました。
- 極端な太さのラインは避ける
- ラインを巻きすぎない
- 糸巻き形状を平行~緩めの逆「ハの字」に調整する
- フェザリングで余分な糸ふけを出さない
- テンションを掛けてラインを巻き取る
上記のポイントを意識して使うことで、密巻きリールのライントラブル確率を減らせることでしょう。
また、どうしてもトラブルが起こる方への対処法も紹介しました。
- 密巻き非搭載リールをメインで使う
- 適材適所でリールを使い分ける
もしトラブルが起きてしまうなら、密巻きリールにこだわる必要はありません。
「密巻きを使いこなせない=下手」
こんなたわごとを信じる必要もありません。
自分に合った道具で、釣りという最高の遊びを楽しみましょう!
以上、佑(@yu_iianbai)でした!またね!