釣りを続けるうえで、いちばん大切なのは「安全に帰ってくること」。
そう頭では分かっていても、「フローティングベストって本当に必要?」と感じている人は少なくないと思います。
僕自身、これまでに海・淡水合わせて3度の落水を経験。
また、周囲の仲間が事故に遭う話も何度も耳にしてきました。
水辺の事故は、決して特別な誰かだけに起きるものではありません。
そこでこの記事では、
- フローティングベストの安全効果
- ライフジャケットや桜マークとの違い
- CS JCIマークの意味
- 選ぶ際のチェックポイント
- おすすめのフローティングベスト(用途別)
など、「釣り人が本当に知っておくべきこと」を分かりやすくまとめました。
あなたが次の釣行へ向かう前に、ぜひ一度だけ読んでみてください。
きっと、あなたと大切な人を守る判断材料になるはずです。
フローティングベストとは

「フローティングベスト」とは収納ポケットを持つ浮力体入りのベスト。
「ゲームベスト」とも呼ばれることもあり、主にルアーフィッシングに使われます。
そんなフローティングベストの概要について確認しましょう。
トピックは6つです。
- フローティングベストってぶっちゃけ必要?
- フローティングベストの買い替え時期は?
- データでわかる!フローティングベスト着用の安全効果
- ライフジャケットとの違い
- 「桜マーク」ってなに?
- 「CS JCIマーク」ってなに?
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
フローティングベストってぶっちゃけ必要?

結論から言えば、「必要」です。
警察庁が公表した「令和6年における水難の概況等」によると、
2024年(令和6年)全国の水難者は1,753人。
そのうち191人が魚釣り、魚とり中に亡くなっています。
この人数は通勤電車の1両がほぼ満員になるくらいの人数。
つまり、1年でそれだけ多くの釣り人が命を落としているという現実があります。

釣りを長く続けている方なら、
「知り合いの釣り仲間が事故に遭った」
そんな話を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
そして、かくいう僕自身海での落水を1度、淡水域での落水を2度経験し…
釣り仲間が事故にあったり、友達の知り合いが亡くなったりしています――

水辺での事故は、決して「対岸の火事」ではありません。
僕ら釣りを愛する人間にとって、それはいつ自分に起きてもおかしくないリスクです。
だからこそ、フローティングベストは
「万が一の備え」ではなく、命を守る最低限の装備
といえます。
フローティングベストの買い替え時期は?

フローティングベストは永久に使えるわけではなく、浮力材や生地は使用環境によって徐々に劣化していきます。
とくに釣り場では紫外線・摩擦・水分・塩分の影響を受けるため、メーカー推奨でもおよそ2〜3年、遅くとも5年以内の買い替えが理想的です。
また、以下のような症状が出てきた場合は、安全のため早めに買い替えを検討しましょう。
- 生地の劣化や大きな色落ちが見られる
- 縫い目のほつれ・破れなどがある
- 浮力体(フォーム)の変形・収縮・硬化・柔らかくなりすぎている
- ファスナー・バックルの動きが悪い、閉まりが甘い
- ベルト調整がゆるんで固定しにくい
こうした劣化は安全性に影響します。
釣行前の簡単な点検を習慣化し、少しでも不安があれば交換しましょう。
データでわかる!フローティングベスト着用の安全効果

フローティングベストの着用は、「浮かぶため」だけではありません。
統計的にも、構造的にも、命を守るための理由がしっかりあります。

釣り中の海中転落者における死亡・行方不明率(令和6年)
消費者庁「Vol.663 水辺のレジャーではライフジャケットを正しく着用しましょう」より引用
消費者庁のデータによると、ライフジャケットを着用していた人の死亡・行方不明率は約19%。
一方で、未着用の場合は約46%にものぼります。
これはつまり、着用していれば生存率が2倍以上に上がるということです。
この数字は単なる偶然ではありません。
フローティングベストには、事故のリスクを減らすための複合的な安全効果が備わっています。
- 衝撃を和らげるクッション効果
- 浮力を維持して救助を待てる
- 釣り道具固定で事故リスクを軽減
- 救助時の発見率アップ
ひとつずつ確認していきましょう。
衝撃を和らげるクッション効果

フローティングベストの中には発泡ウレタンなどの浮力体が入っています。
これが、万が一海や岩場に落ちたとき、体を守る“衝撃吸収材”の役割を果たします。
特に磯場やテトラ帯では、落水と同時に岩肌に体を打ちつけるケースも多く、
このクッション効果が致命傷を防ぐ第一の盾になることもあります。
実際に、僕の友人がテトラ帯でバランスを崩して落下した際、フローティングベストを着用していなかったことで、背中から強く岩に叩きつけられました。

Tシャツの繊維が皮膚に食い込むほどの打撲を負い、その後1か月以上ひどい痛みが続いたそうです。
もしあのときベストを着ていれば、衝撃はかなり軽減できたはずです。
浮力体は「浮くため」だけでなく、「守るため」にもある。
この経験を通して、僕も改めてフローティングベストの重要性を痛感しました。
浮力を維持して救助を待てる

画像はブルーストーム「日本小型船舶検査機構性能鑑定適合品 レジャー用ライフジャケット(固型式)とは?」より引用
言うまでもなく、浮力体の役割は沈まないための命綱。
衣類や釣具で重くなった状態でも、しっかりとしたベストなら顔を水面上にキープできます。
波や流れが強いサーフ・磯釣り・カヤックでも、救助までの時間を稼げます。
釣り道具固定で事故リスクを軽減

ベストのポケットやDリングなどに、プライヤーやフィッシュグリップ等をしっかり固定しておくことで、
手が自由に使える=安全な動作がしやすい
という効果もあります。
例えば、ランディング中にタモ網を落としそうになって無理な姿勢を取る――
そんなちょっとした行動が、落下事故の引き金になることもあります。
装備をベストにまとめておけば、
「道具を拾おうとしてバランスを崩す」といったヒューマンエラー系の事故も防げるのです。
救助時の発見率アップ

明るい色(オレンジやレッド)のベストを着用していれば、
落水時に視認性が高く、発見・救助が早まることも大きなメリットです。
ライフジャケットとの違い

一般的に「ライフジャケット」とは、水難事故の際に命を守ることを目的とした着用可能な浮力体全般を指します。

その中でも釣り用のフローティングベストは、釣りの利便性と安全性を両立させた「ライフジャケットの1種」で、動きやすさや収納力を重視した設計。
ポケットやDカンが多く、プライヤー・ルアーケースなどを身に付けたまま作業できるのが特徴です。
「桜マーク」ってなに?

左:桜マーク 右:CS JCIマーク
「桜マーク」は、国土交通省が定める小型船舶用救命胴衣(ライフジャケット)に付けられる国の認証マーク。
正式には「型式承認品」と呼ばれ、国が安全基準を満たしていると認めた製品にのみ表示されます。

画像はナチュラム「船釣りをされる方ライフジャケットのご準備はお済みですか?
ライフジャケット着用義務化」より引用
船釣りで着用したり、腰に巻いたりするやつはすべて「型式承認されたライフジャケット」ですね。
このマークが付いたライフジャケットは、小型船舶に乗る際の法定備品として認められており、船舶検査や取り締まりでも「着用義務を満たしている」と判断されます。

一般社団法人 日本釣り用品工業会「ライフジャケットの安全基準」より引用
桜マーク付きのライフジャケットにはいくつかのタイプがあり、用途や浮力によって分類されています。
ちなみに、2025年現在ルアーフィッシングに使えるような収納力をもつフローティングベストには、桜マーク付きはありません。
なので「おかっぱりで使っているベストを船釣りで流用する」
といったことは出来ません。
「CS JCIマーク」ってなに?

「CS JCIマーク」は、釣り用ベストに求められる基準※を満たした釣り用フローティングベストに付けられる認証マークです。
認証を受けるには性能鑑定試験に合格する必要があり、


吊り下げ部や胴部の強度試験や、


水上性能試験や浮力試験に合格する必要があります。
つまり、CS JCIマーク付き=
「釣り、レジャー用として信頼できる安全基準を満たした製品」という目印です。
桜マーク製品が「船舶法に基づく命を守る装備」だとすれば、
CS JCIマーク製品は「釣りの快適さと安全性を両立するための装備」といえます。
フローティングベストを選ぶ際は、CSマーク付きのものを選ぶようにしましょう。
試験画像はすべてブルーストーム「日本小型船舶検査機構性能鑑定適合品 レジャー用ライフジャケット(固型式)とは?」より引用
※日本小型船舶検査機構を事務局とする「レジャーで使用する個人用の浮力補助具に関する業界の性能基準策定に係る委員会」が策定主体として検討、定めた基準
フローティングベストの選び方

さてここからはフローティングベストを選ぶ際にチェックするべきポイントを紹介します。
フローティングベスト選びのポイントは以下の6つ。
- 浮力を確認
- 着用義務に対応しているか
- 収納力を確認
- 付属品や機能の有無を確認
- 動きやすさや通気性の確認
- カヤックやサップ用は再乗艇のしやすさ最優先
順に解説していきます。
浮力を確認

フローティングベストを選ぶうえで、最も重要なのが「浮力」です。
どんなに動きやすくても、浮力が足りなければ命を守れません。
一般的に成人であれば必要な浮力は5.85kgとなっています。
しかしこれは、泳げる人が着用する前提の浮力。
なので基本的には7.5kg以上の浮力のものを選ぶとよいでしょう。
またCS JCIマークの付いたフローティングベストの場合はランクによって浮力が決まっており、
- L1=11.7kg以上
- L2=7.5kg以上
- L3=5.85kg以上
と表記されていますので、基本はL2(7.5kg以上)。
渡船を利用しなかったり防波堤や波のおだやかなサーフ、淡水などではL3(5.85Kg以上)といった感じで選ぶとよいでしょう。
ちなみに桜マークの浮力は以下の通り。
- TYPE A=7.5kg以上
- TYPE D=7.5kg以上
- TYPE F=7.5kg以上
- TYPE G=5.85kg以上
このランクやタイプを参考にし浮力を確認しましょう。
着用義務に対応しているか

一般社団法人 日本釣り用品工業会「ライフジャケットの安全基準」より引用
ライフジャケット着用義務のある場合、対応する型式のライフジャケットを着用しないと船長(小型船舶操縦者)に違反点数が2点付されてしまいます。
しかしながら船には必ず定員分は用意しておくことが義務付けられています。
なので遊漁船などでは貸し出してもらえることがほとんどでしょう。
ですがご自身でプレジャーボートやエンジン付きゴムボート等を操縦する場合は注意が必要。
その場合はご自身で対応するライフジャケットを選ばなければなりません。

また渡船(磯等渡し)で釣り場に渡る場合も着用義務があります。
この場合はCS JCIマーク付きのフローティングベストでも対応可能です。
詳しくは日本釣用品工業会の
「国土交通省型式承認品・日本小型船舶検査機構 性能鑑定適合品レジャー用ライフジャケット(固型式)推奨表」を確認してください。
収納力を確認

次にチェックしたいのが収納力です。
釣り人のあいだで収納力を測る“共通言語”といえば、メイホー(MEIHO)製ケース。
なかでも基準となるのが、通称「3010(サンマルイチマル)」サイズと呼ばれるケースで、主に3010ND※(3010サイズの深型)を指します。
サイズは約205×145×40mmで、多くのルアーボックスの標準的なサイズとして知られています。

ロックショア用など機動力重視のものを除き、ほとんどの釣り用フローティングベストは、メインポケット1つに3010が1個入る設計になっています。
左右にメインポケットがあるタイプなら、合計2個の3010サイズボックスを収納可能。
さらに多くのルアーや仕掛けを持ち歩きたい方は、
- 3010サイズを2個並べて収納できる大容量タイプ
- 背面ポケット、背面バッグ付きタイプ
といったモデルを選ぶのがおすすめです。
※ちなみにNSは「浅型」、NDDは「超深型」を表します。
付属品や機能の有無を確認

次に、付属品や機能面をチェックしましょう。
フローティングベストには、が付いているものがほとんど。
ただし、快適さや使い勝手を重視する場合は、以下のような機能にも注目してみましょう。
- 小物を整理できる サブポケットやポーチ
- ロッドを一時的に固定できる ロッドホルダー
- 水分補給に便利な ボトルホルダー
- 使用中のルアーを掛けておける ルアーホルダー

また、フィット感に関わる装備も重要です。
ショルダーベルトのずり落ちを防ぐチェストバックルやアジャスター、荷重を分散するウエストベルトなどの有無も確認しておきましょう。
これらの機能があるかどうかで、釣行中の快適さが大きく変わります。
動きやすさや通気性の確認

動きやすさや通気性のチェックも重要です。
基本的に、釣り用フローティングベストは収納力が高いほど重量が増し、動きにくくなる傾向があります。
そのため、軽量でシンプルなモデルほど動きやすく、キャスティングやランガン(移動を繰り返す釣り)にも向いています。
また、軽量モデルは脇まわりのスペースが広く設計されていることが多く、ロッドを振りやすい点もメリットです。

通気性の面でも、やはりシンプルなモデルのほうが優れていますが、収納力のあるタイプでも快適性を重視した工夫がされています。
たとえば、背面をメッシュ素材にしたモデルや、浮力体にエアホールを設けて通気性を確保しているモデルなどが代表的です。
これらの構造により、蒸れを抑え、長時間の釣行でも快適に過ごすことができます。
カヤックやサップ用は再乗艇のしやすさ最優先

これまでは主に堤防やサーフなど“おかっぱり”で使う釣り用フローティングベストの選び方を紹介しましたが、カヤックやサップ(SUP)での釣りでは選ぶポイントが大きく変わります。
最も重視すべきは、「再乗艇(さいじょうてい)のしやすさ」です。
カヤックやサップでは落水のリスクが高く、もし落ちても自力で再乗艇できれば、出艇場所まで戻れなくとも近くの浜辺や漁港へ避難できます。

画像は海上保安庁「転覆した艇から再乗艇する方法(セルフレスキュー)」より引用
逆に、再乗艇できなければ漂流しながら救助を待つしかなく、長時間水に浸かることで低体温症の危険性も高まります。
そのため、カヤック・サップ用フローティングベストを選ぶ際は、再乗艇を妨げない構造を最優先にしましょう。

前面ポケットの出っ張りが少ない専用モデルが理想的です。
代表的なモデルには、
- パーム(Palm) コラアングラー
- モンベル(mont-bell) アングラー
などが挙げられます。
どちらもパドリング動作を妨げにくく、水面での再乗艇を考慮した設計です。

ちなみに、カヤックやサップ用のライフジャケットを探す際は、「PFD(Personal Flotation Device)」と検索してください。
すると専用設計の製品を見つけることができます。
2025年用途別フローティングベストのおすすめランキング

さてここからは2025年最新版、
「用途別フローティングベストのおすすめランキング」
を見ていきましょう。
フローティングベストはあなたの命を守る装備品。
なので性能試験に合格した「CS JCIマーク付き」のものを優先してご紹介します。
低価格で軽量、手軽なモデル

低価格で軽量、お手軽なモデルランキングは以下の通りです。
- 1位「ダイワ:DF-6425 ライトフロートゲームベスト」
- 2位「ブルーストーム:エレファンタ L2-BSJ42」
- 3位「シマノ:ゲームベストライト VF-068T」
順番に見ていきましょう!
1位「ダイワ:DF-6425 ライトフロートゲームベスト」

2025年9月に発売されたばかりの新モデル。

- チャック付きのサブポケット×2
- チェストアジャスター
- 背面メッシュ
- 引きやすいファスナー引手
- メインポケット内部の内ポケット
などが採用されており、細部の使い勝手までしっかり考えられています。
低価格帯ながら機能性は抜群で、重量もわずか0.8kgと非常に軽量。
さらにはCS JCIマーク付き(L2ランク)で、浮力性能も安心です。
丈が短めに設計されているため、立ち込み時にも水に浸かりにくく快適。

カラーはブラック・ブラックカモ・ミリタリーベージュ・ブラウンカーキの4色展開。
見た目のバリエーションも豊富です。
総合的なバランスとコスパの高さから、今最もおすすめできる軽量モデルです。
見出し内画像はすべてダイワ「DF-6425 ライトフロートゲームベスト」より引用
2位「ブルーストーム:エレファンタ L2-BSJ42」

軽量&低価格を両立した、エントリーモデルにぴったりの一着。
- サブポケット×2
- 通気性のよいデザイン
- 0.8kgと軽量な本体重量
と、必要十分な装備を備えています。
価格は今回のランキング中でも最もリーズナブル。

もちろんCS JCIマーク(L2ランク)付きで安全面も問題ありません。
カラーは3色展開。
見出し内画像はすべてブルーストーム「エレファンタ」より引用
筆者もこの「エレファンタ(ブラック)」を愛用していますが、軽くて動きやすく、夏場でも蒸れにくいのが好印象です。記事はこちら
なお、近々「カイキアス」という新モデル名でリニューアル予定ですが、現行モデルもまだまだおすすめできます。
3位「シマノ:ゲームベストライト VF-068T」

釣行時の利便性を重視した設計が魅力のモデルで、特徴は以下の通りです。
- 仮置き可能なロッドホルダー
- 引きやすいファスナー引手
- メインポケット上部のDカン
- 1.0kgの軽量な重量

カラーも豊富で、特にデザインがよいのが特徴的。
2025年9月に追加されたライトグレーとナイトオリーブもかっこいいです。
ただし、浮力ランクがL3でやや低めな点と、サブポケットが1つのみという仕様のため、惜しくも3位となりました。
渡船で磯釣りをしない方や、持ち歩く小物が少ない方、体重の軽い方などにおすすめのモデルですね。
見出し内画像はすべてシマノ「ゲームベストライト[VF-068T]」より引用
ロックショア対応モデル

ロックショア(磯場)で使用するフローティングベストは、過酷な環境に対応できる耐久性と機動性が求められます。
まず重要なのは、足元の視認性の高さ。
ポケットの出っ張りが抑えられ、しっかり確認でき、安全な移動をサポートします。
さらに、肩回りの可動域が広く設計されている点も特徴。
キャストやランディング時の動作を妨げず、スムーズな釣りが可能です。
そんな、ロックショア対応モデルおすすめランキングは以下の通り。
- 1位「シマノ:ロックショアタフベスト VF-229X」
- 2位「シマノ:ロックショアベスト VF-029U」
- 3位「ダイワ:DF-4023 タクティカルロックショアベスト」
1位から順にみていきましょう!
1位「シマノ:ロックショアタフベスト VF-229X」

1位は収納力と機動性を両立させたシマノの「ロックショアタフベスト VF-229X」です。
このフローティングベストは、磯場での激しい動きにも対応しながら、必要なタックルをしっかり収納できるよう設計されています。

採用されている主な装備は以下の通りです。
- 伸縮性のあるメインポケット
- 背面下部のフィッシュグリップホルダー
- プライヤー等を仮置きできるベルトループ
- 小物を収納できる左右の胸ポケット
- 素早く交換できるルアーローテーションケース
これらの機能により、ロックショア用でありながら圧倒的な使いやすさを実現。

さらには頸部を簡易保護する着脱可能なマクラや、通気性を高める背面ベンチレーションなど、快適性にも細やかな配慮が施されています。
もちろん、CS JCIマーク(L2ランク)付きで安全性も確保。
機動性・安全性・収納力・機能のすべてを妥協したくない方におすすめの、まさに“完成形”ともいえるロックショアベストです。
見出し内画像はすべてシマノ「ロックショアタフベスト[VF-229X]」より引用
2位「シマノ:ロックショアベスト VF-029U」

2位は、機動性に全振りしたミニマム設計の「シマノ:ロックショアベスト VF-029U」。
1位のロックショアタフベストが“万能型”だとすれば、こちらは“軽快特化型”。
収納はあえて必要最低限に絞られており、
- 前面の薄型ポケット2つ
- 背面下部のフィッシュグリップホルダー
この潔いまでの割り切り仕様が最大の特徴。
その分、足元の視認性やロッドワークの自由度が高く、岩場を移動する際のストレスも少なめです。

また、ベスト全体が軽量かつスリム。
長時間の釣行でも疲れにくいのもポイントです。
こちらももちろん、CS JCIマーク(L2ランク)付きで安全性も担保されています。
「収納よりも動きやすさ重視」
「身軽に攻めたい」
というアングラーに、ぜひおすすめしたい1着です。
見出し内画像はすべてシマノ「ロックショアベスト[VF-029U]」より引用
3位「ダイワ:DF-4023 タクティカルロックショアベスト」

3位は、収納力・機動性・機能性のバランスに優れたダイワの
「DF-4023 タクティカルロックショアベスト」。
ロックショア専用に設計されたこのモデルは、過酷な磯場でも快適に動けるよう、以下のような特徴を備えています。
- 上下に分割され放熱性の高い背中の浮力体(ベンチクールシステム)
- 小物を収納できるスラッシュポケット
- 着脱可能なプライヤーホルダー装備

CS JCIマークが付いていない点は惜しいものの、全体の完成度が高く、バランス型フローティングベストの代表格といえます。
「収納も動きやすさも、どちらもそこそこ欲しい」
というアングラーには非常におすすめの1着です。
見出し内画像はすべてダイワ「DF-4023(タクティカルロックショアベスト)」より引用
大容量モデル

ブルーストーム「バラット L2-BSJ40」より引用
フローティングベストの中でも大容量モデルは、単に収納力があるだけでなく、収納した道具へのアクセスのしやすさが重要なポイントです。
また、荷物が多くなる分、どうしても重量がかさみがち。
そのため、背中の熱を逃がす放熱性や、体への負担を軽減するサポートベルトなど、快適性を高める機能も欠かせません。
そんなサーフや大型河川など、長時間の釣行でも快適に使える大容量フローティングベストのおすすめランキングは以下の通り。
- 1位「シマノ:サーフトリッパ―ベスト VF-275W」
- 2位「ブルーストーム:バラット L2-BSJ40」
- 3位「ダイワ:DF-6122 ベンチクールゲームベストV」
1位「シマノ:サーフトリッパ―ベスト VF-275W」

1位は、シマノのフラッグシップモデル「サーフトリッパ―ベスト VF-275W」。
左右のメインポケットには、メイホー3010ND(深型)とNS(薄型)をそれぞれ1枚ずつ余裕をもって収納可能。

さらにアクセスしやすい着脱式バックパック、サブポケットやポーチ、背面収納など、圧倒的な収納力を誇ります。

加えて、機能面も充実しています。
- サイズ調整がしやすい「BOA®フィットシステムシステム」
- 背中に熱がこもりにくい エアダクトと背面メッシュ構造
- グローブを一時的に置ける 「グローブレスト」
- ポーチやアクセサリーを装着できる 「モールシステム」
- 負荷を分散し疲労を軽減する「着脱式サポートパッド」
- スタンドやフィッシュグリップを固定できる背面下部ホルダー

サイズは M/L/XL から選択可能で、もちろん CS JCIマーク(L2ランク)付き。
安全性・快適性・収納力のすべてを高水準で実現した、まさに“完成形”のフローティングベストです。
見出し内画像はすべてシマノ「サーフトリッパーベスト[VF-275W]」より引用
2位「ブルーストーム:バラット L2-BSJ40」

2位はブルーストームの「バラット L2-BSJ40」。
このモデルは大容量でありながらコンパクトなシルエットを実現しており、機動性と収納力を見事に両立。
プライヤーホルダー、ドリンクホルダー、大型2層式ターポリンポーチを標準装備しています。

特筆すべきは、可動式の背面収納。
防水性に優れたターポリン素材を採用し、背負ったまま頭上を通して前面に持ってくることが可能。
さらにチャックが両側にあるため、ベストを脱がずに中身へアクセスできます。

その他の特徴は以下の通り。
- 3010ND(深型)を各2枚収納できるメインポケット
- 前面の小物用メッシュポケット&サブポケット
- 腰部に伸縮素材を採用したサポートベルトで締め付け感を軽減
もちろん CS JCIマーク(L2ランク)付きで安全性も問題なし。
唯一の難点は人気すぎて在庫切れが多いこと。
それだけ評価が高く、ユーザー満足度の高いモデルといえます。
見出し内画像はすべてブルーストーム「バラット L2-BSJ40」より引用
3位「ダイワ:DF-6122 ベンチクールゲームベストV」

3位はダイワの「DF-6122 ベンチクールゲームベストV」。

このモデルの最大の魅力は、圧倒的なメインポケットの収納力。
通常時でも 3010NDM(深型)を2枚収納可能で、拡張ジッパーを開くと 3010NDDM(超深型)を2枚まで収納できます。

そのほかにも使いやすさを追求した多機能設計が魅力です。
- ルアー交換をスムーズに行える「ローテーションポケット」
- ベルト左右どちらにも装着できる「アジャスタブルポーチ」
- 巾着型小物入れ(右側)とジッパー小物入れ(左側)
- 干渉しにくいポケット型プライヤーホルダー
- 約750ml対応の軽量ボトルホルダー
- 大容量の背面バックポケット
- 通気性に優れる「エアスルーパッド構造」
CS JCIマークは付いていないものの、収納力・快適性・価格バランスに優れ高い評価を得ているモデルです。
「とにかくルアーをたくさん持ち運びたい!」
というアングラーに最適な、大容量最強クラスのフローティングベストです。
見出し内画像はすべてダイワ「DF-6122 ベンチクールゲームベストV」より引用
カヤック、サップおすすめモデル

カヤックやサップ用のフローティングベストは、再乗艇のしやすさ最優先です。
とはいえ、「これだけは手元に置いておきたい」という装備やツールがあるのが釣り人。
サップやカヤックでは、落水時に近くに”自分の艇“という大きな浮力体があります。
艇を確保できればすぐに沈むことはありません。
しかしそれでもベストの浮力性能が担保されていることは、安全のために重要。
なので今回は、再乗艇もしやすく、第三者機関の認証を取得し、さらに必要最低限の装備も可能な、実用性の高いおすすめモデルを紹介します。
- 1位「パーム:12716(L3-KA23) コラアングラー」
- 2位「ダイワ:DF-6624 PDゲームベスト」
- 3位「パーム:12641(L3-MD23) ミアンダー」
1位「パーム:12716(L3-KA23) コラアングラー」

1位は、パームの「12716(L3-KA23)コラアングラー」。
左右に大型のメインポケットを装備した、収納性抜群のカヤック用PFDです。
ダブルジッパーで開閉しやすく、マチ付きで前方に垂れ下がらない設計のため、ルアーや小物の落下を防ぎます。

また、Dリングが付いた胸下のベルトループには、レスキューナイフやリューシュコードを装着可能。カヤックアングラーが求める装備性と安全性を兼ね備えています。

他にも特徴があり、
- カヤックのハイバックシートと干渉しにくいの背面デザイン
- 両肩・背面に「SOLAS」反射布付きで高い視認性
- メインポケット上部にピニオンリールホルダー
- 左ポケット前面にプライヤーホルダー
さらに、現在はISO認証(ISO12402-5)モデルですが、在庫なくなり順次CS JCIマーク付きへ移行予定。
安全性・機能性ともに高水準で、装備をしっかり身につけたいカヤックアングラーやSUPフィッシャーに最適な1着です。
見出し内画像はすべてパーム「12716(L3-KA23) Kola Angler コラアングラー」より引用
2位「ダイワ:DF-6624 PDゲームベスト」

2位は、2025年春に登場した新作、ダイワの「DF-6624 PDゲームベスト」。

前面に配置された大容量メインポケットが最大の特徴で、メッシュポケットやピニオンリールを取り付けられるベルトループなど、釣行時の利便性を追求しています。
さらにその他の特徴として、
- カヤックの背もたれと干渉しにくい背面設計
- 着用状態のまま引き出せるエマージェンシーフード
- 前後身頃に反射プリントで視認性アップ
- カヤック用PFDでは珍しい「股紐」付き
- CS JCIマーク(L2)取得で安全性も万全
- 手を温めるウォーマー機構

収納力・安全性・実用性の三拍子がそろった、カヤック・SUPアングラーに強くおすすめできる万能モデルです。
見出し内画像はすべてダイワ「DF-6624 PDゲームベスト」より引用
3位「パーム:12641(L3-MD23) ミアンダー」

3位は、パームの「12641(L3-MD23)ミアンダー」。
シンプルでスリムなデザインが特徴のウォータースポーツ用PFDです。

軽量で扱いやすく、初心者やSUPメインのアングラーにも人気のモデル。
その特徴は、
- 便利なファスナーポケット付き
- 約600gの軽量設計
- フィット感を高めるサイドアジャスター
- 視認性の高いカラフルなラインナップ
- ISO認証(ISO12402-5)取得、在庫なくなり順次CS JCIマーク付きへ移行予定

価格も手ごろで、軽快さを重視するカヤック・SUPアングラーにぴったりの1着です。
見出し内画像はすべてパーム「12641(L3-MD23) Meander ミアンダー」より引用
フローティングベストの使い方

さてここからはフローティングベストの正しい使い方を見ていきましょう。
トピックは3つ。
- 正しい着用方法
- メンテナンス、保管方法
- やってはいけないこと
正しい着用方法

フローティングベストは「着ているだけ」では十分な効果を発揮しません。
安全性を確保するために、以下の4つのポイントを必ず押さえておきましょう。
- 体にフィットさせる
- ファスナーとバックルを必ず併用する
- 股紐は必ずつける
- ポケットに道具を詰め込みすぎない
順番に解説します。
体にフィットさせる

ベストを羽織ったら、まず前ファスナーをしっかり締め、そのうえで肩ベルト → 脇ベルトの順に調整していきましょう。

肩ベルトが緩いとベストがずり上がったり下がったりし、着用感が悪いだけでなく、落水時に必要な位置で浮力を発揮できなくなります。

肩を適切に調整したら、次に脇ベルトを締めます。
体との間に隙間が生まれないようフィットさせることが大切です。
ベルトが緩いと左右にベストがズレたり、落水時に体とベストの間に大きな隙間ができて危険です。
ファスナーとバックルを必ず併用する

ほとんどのフローティングベストには、フロントにファスナー+バックルの二重構造が採用されています。
これは「どちらか片方が外れても安全を確保するため」の重要な仕組み。
ファスナーだけ、バックルだけでの着用はNG。
両方をしっかり閉じてこそ、落水時の正しい浮き姿勢が保たれます。
股ベルト(股紐)も必ず装着する

釣り用フローティングベストにはほぼ必ず股ベルト(股紐)が付いています。
これを使わないのは非常に危険です。
いくら肩や脇のベルトを適切に調整していても、股ベルトを外した状態で落水すると、ベストだけが上に浮き上がり、口元が水面に沈みやすくなります。
呼吸が確保しにくくなり、身体を動かすことも困難になります。
必ず装着し、他のベルト同様に体に合う長さに調整してから釣りを始めましょう。
ポケットに道具を詰め込みすぎない

収納が豊富なのはフローティングベストの魅力ですが、
詰め込みすぎると重心が変わり、動きにくさや姿勢の乱れの原因に。
また、無理に詰め込むと浮力体にも圧力が掛かり、浮力が低下しかねません。
最低限の道具だけに絞り、前後・左右のバランスを意識しながら収納するのがポイント。
そうすることで、安全性と快適性を両立した釣りができます。
メンテナンス、保管方法

フローティングベストを長く安全に使うためには、釣行後のケアと適切な保管が必要です。
ポイントは以下の3つ。
- 使用後はしっかり洗う
- 完全に乾くまで陰干し
- 直射日光を避け保管
ひとつずつ確認していきましょう。
使用後はしっかり洗う

使用後は、真水か中性洗剤を薄めた水で軽くブラッシングしよくすすいで、塩分・泥・汚れをしっかり落としましょう。
塩分が浮力材に残ってしまうと、浮力の低下や生地の劣化を引き起こす原因になります。
浮力材が取り外せるタイプの場合は、必ず浮力材を抜いた状態で、製品に記載された洗濯表示に従って洗うようにしてください。
完全に乾くまで陰干し

紫外線はフローティングベストの生地や浮力材にダメージを与え、劣化や強度低下の原因になります。
洗ったあとは濡れたまま放置せず、風通しのよい日陰でしっかり乾燥させることが大切です。
外側が乾いていても、内部の浮力材に水分が残っていることがあります。
完全に乾いたことを確認してから収納しましょう。
直射日光を避け保管

保管は、直射日光の当たらない、風通しの良い場所が最適です。
おすすめは、
- ハンガーにかける
- ファスナーを閉じて型崩れを防ぐ
という保管方法です。一方で、
- 濡れたまま放置
- 高温になる車内に置きっぱなし
こんな保管は、生地・浮力材の劣化やカビの発生を招きます。
性能低下の原因となるため避けましょう。
やってはいけないこと

フローティングベストで最も避けるべき行為は、浮力体に強い圧力をかけることです。
浮力材は押しつぶされると元に戻らず、本来の浮力が発揮できなくなるため、命に関わる重大な問題につながります。
代表的なNG行為は以下のとおりです。
- 座布団やクッション代わりに使う
- 車内で荷物を押し込んで圧縮する
- 重たい道具を詰め込みすぎる
それぞれ確認していきましょう。
座布団やクッション代わりに使う

フローティングベストを座布団やクッション、マクラ代わりに使うのはNG。
浮力材がつぶれ浮力が低下してしまい危険です。
車内で荷物を押し込んで圧縮する

トランクの隙間に押し込んで変形させたり、重い荷物の下敷きにするのもNG。
長時間圧力がかかることで変形、つぶれを起こし、浮力性能が低下します。
重たい道具を詰め込みすぎる

収納力があるからといって過剰に道具を入れると、浮力材と生地に慢性的な負荷がかかります。
重量バランスも崩れ、落水時の姿勢が不安定になり危険です。
まとめ:用途や予算に合わせてベストを選ぼう

フローティングベストは、ただの“釣り道具収納に便利なベスト”ではありません。
また、”万が一の備え“ではなく、「命を守る最低限の装備」です。
改めて記事内容をおさらいすると、
- 着用するだけで生存率が2倍以上に向上する
- 浮力体は“浮くため”だけでなく“衝撃を吸収する盾”としても働く
- 船釣りでは桜マーク付き、おかっぱりはCS JCIマーク付きを選ぶ
- 釣りスタイルに合わせて選ぶべきポイントがある
釣りは最高に楽しい趣味ですが、水辺では常に危険と隣り合わせです。
だからこそ、フローティングベストは「万が一」ではなく、”当たり前“の装備。
この記事が、安全で楽しい釣行の手助けになれば嬉しいです。
あなたの次の釣行が、安全で楽しいものになりますように。

