【万能】PEラインが扱いやすい22エクスセンスDCをインプレ！緻密な制御で飛距離も出るベイトリール！

今回インプレするのは、シーバス用ベイトリールの最高峰22エクスセンスDCです。
結論から言うとこのリールは、シーバスはもちろん、

フラットやロックなど様々な魚種に対応する高性能ベイトリールです。

スペック確認や進化した点、他リールとの比較をしつつ、実際に購入したリールでインプレしていきます。

PEライン特化ベイトリールの最高峰「エクスセンスDC」

「エクスセンスDC」はシーバス用ベイトリールのフラッグシップモデル。
2012年に発売され、その後2017年にアンタレスベースとなり性能が向上しました。

そんなエクスセンスDCですが、一足先にモデルチェンジしたアンタレスをベースに、2022年にニューモデルが発売。

独自のチューンでデジタルブレーキをより緻密に制御できるようになり、特にPEライン使用時のトラブルレス性能が向上しました。

このエクスセンスDCを、通称「22エクスセンスDC」と呼びます。

22エクスセンスDCのラインナップ

22エクスセンスDCのラインナップは、

• エクストラハイギア（XG）の右巻き
• エクストラハイギア（XG）の左巻き

この2種類のみ。
基本スペックは1種類で、ハンドルの位置だけが違います。

品番

ギア比

最大ドラグ力(kg)

自重(g)

スプール径(ｍｍ) /幅(ｍｍ)

糸巻量フロロ (lb-m)

糸巻量PE (号-m)

最大巻上長 (cm/ハンドル1回転)

ハンドル 長さ(mm)

ベアリング数 BB/ローラ―

夢屋ハンドル ノブタイプ

夢屋ハンドル タイプ

本体価格(円)

XG RIGHT

7.8

5

230

37/19

12-130 14-95 16-85

1-365 1.5-255 2-180

91

45

11/1

A

BH-1

83,400円

XG LEFT

7.8

5

230

37/19

12-130 14-95 16-85

1-365 1.5-255 2-180

91

45

11/1

A

BH-1

83,400円

じっくり確認したい方は下記のボタンからどうぞ。

前モデル「17エクスセンスDC」からの進化点

ここからは前モデルの「17エクスセンスDC」から進化した点を見ていきましょう。
主な進化点は6つあります。

順番に見ていきましょう。

ブレーキ性能が進化！NEW 4x8DC EXSENCE TUNE

エクスセンス用にチューンされた4×8DCが進化し、よりトラブルレスになりました。

従来をはるかに上回る情報量を処理し、ブレーキを緻密にコントロール。
これにより、飛距離を犠牲にすることなく高切れやバックラッシュを防ぎます。

^{シマノ「エクスセンスDC」よりDCブレーキ感知制度のイメージ図}

もともと4x8DC EXSENCE TUNEは飛距離に定評のあるブレーキシステムでしたが、今回の進化でより多種多様なルアー状況に対応できるようになりました。

よりトラブルレスで安定して飛ぶブレーキシステムに仕上がっています。

スプール軽量化＆低慣性化！MGLスプール3

立ち上がりよくなめらかに回転するMGLスプール3を搭載。
キャスト性能が向上し、伸びのあるキャストを実現しています。

また、軽量で低慣性なスプールはサミングに対する反応もよく、ピンポイントへのキャストも正確なコントロールが可能。

さらに、NEW 4x8DC EXSENCE TUNEとの組み合わせによりキャスト後半の失速も防ぎます。

最大ドラグ力が4.5kgから5.0kgにアップ

最大ドラグ力が4.5kgから5.0kgにアップしました。

太糸やビッグベイトなどを扱うベイトリールにとって、ドラグ力がアップするのはよいことで、以下のようなメリットがあります。

• 魚を寄せる力があがる
• フッキングが決まりやすくなる

構造上、どうしてもスピニングリールより低くなってしまうドラグ力ですが、手を抜くことなく性能を向上されています。

糸巻量が2.0号150mから180ｍに増量

糸巻量がPE2.0号150mから180ｍに増量しました。
これによりサーフの釣りでもより安心して使えるようになりました。

サーフでロングキャストした先で魚を掛けると思うと、今までのラインキャパでは心もとないのが正直なところでした。

トラブルでラインが減りやすいベイトタックルではなおさらでしょう。

今回の22エクスセンスDCは糸巻量も増えたので、高いキャスト性能を活かしつつ、サーフでも安心して遠投が可能です。

外部メカニカルブレーキ採用！より細かな調整が可能に

22エクスセンスDCではボディ外部にメカニカルブレーキが採用され、手軽に細やかなブレーキ調整が可能になっています。

前モデルはメカニカルブレーキはボディ内部にあり、またコインねじで調整するにも手間がかかるものでした。

それが外部メカニカルブレーキに変更。
指先で調整できるようになりました。

これにより、現場でのメカニカルブレーキを調整しやすくなり、細かなブレーキセッティングが可能となりました。

ボールベアリングが増え、巻き心地が向上

^{シマノカスタマーセンター　22エクスセンスDC　XG　R　より}

22エクスセンスDCはボールベアリングも追加され巻き心地も向上しています。

ドライブギアのシャフトを支える箇所に、新たに1つのボールベアリングが追加され合計2つになりました。

これにより、なめらかで精密感のある巻き心地を実現しています。

前モデル「17エクスセンスDC」との共通点

^{2017シマノフィッシングタックルカタログより「17エクスセンスDC」}

前モデルの17エクスセンスDCとの共通点は、

ドラグが出されていることが分かりやすい
「エキサイティングドラグサウンド」
切削方法を見直し、極限までゆがみとガタを排除した
「S3Dスプール」

の他に、

• サイレントチューン
• マイクロモジュールギア
• Xシップ
• HAGANEボディ
• S A-RB

これらのシマノの技術が採用されています。

シマノ別モデルとの比較

ここからは別モデルのベイトリールとの違いを見ていきましょう。
比較するリールは以下の2つです。

• 21アンタレスDC
• 23アンタレスDCMD

ひとつずつ確認していきましょう。

「21アンタレスDC」との比較

21アンタレスDCは、22エクスセンスDCのベースとなったリールです。
主な違いを表にまとめてみました。

主な仕様の違い	22エクスセンスDC	21アンタレスDC
ギア比 ラインナップ	XGのみ	ノーマル HG XG
ブレーキ システム	NEW 4x8DC EXSENCE TUNE	4x8DC
ドラグ音	あり	なし
メカニカル ブレーキ	あり	なし (別売り)

^{※当見出し内画像はそれぞれシマノ「エクスセンスDC」、「アンタレスDC」より引用}

22エクスセンスDCが優れている点

21アンタレスDCと比べると、22エクスセンスDCは以下の3点で優れています。

• PEラインでの釣りがメイン
• サーフでの釣りもやりたい

こういった方は間違いなく22エクスセンスDCがおすすめです。

^{注意！
現在Amazonでは適正価格の22エクスセンスDCの在庫はありません。(2024年11月29日現在)
お求めの方は楽天市場かヤフーショッピングでどうぞ。}

逆に、以下の条件を複数満たす方は21アンタレスも検討するとよいでしょう。

• 「メカニカルブレーキなんてないほうがよくね？」という方
• 「ノーマルギアかハイギアが欲しいんだけど」という方
• 「エクスチューンDC、いらないかも」という方
• 「少しでも安いほうがいいんだけど」という方

や、ノーマルギアやハイギアが欲しい方は21アンタレスDCを選ぶべきでしょう。
スプールは共通ですので糸巻量も問題ありませんしね。

価格差はモデルにもよりますが、10,000円近く価格差が付く場合もあります。
10,000円は大きいですよね…

「23アンタレスDCMD」との比較

^{2023シマノフィッシングタックルカタログより「23アンタレスDCMD」}

23アンタレスDCMDは、ビッグベイトの釣りをはじめとする負荷の大きい釣りに対応するために専用にチューニングされたモデル。

主な違いは以下の表の通りです。

主な仕様の違い	22エクスセンスDC	23アンタレスDCMD
スプールの 径/幅	37/19	38/21
糸巻量	PE2.0号 180m	ナイロン20lb 100ｍ
ギア比 ラインナップ	XGのみ	HG XG
ブレーキ システム	NEW 4x8DC EXSENCE TUNE	NEW 4×8DC MD TUNE
ドラグ音	あり	なし
最大巻上長 (ハンドル1回転)	91cm	93cm (XG)

^{※当見出し内画像はそれぞれシマノ「エクスセンスDC」、「アンタレスDCMD」より引用}

22エクスセンスDCが優れている点

23アンタレスDCMDに比べ、22エクスセンスDCは以下の3点で優れています。

• PEラインでの釣りがメイン
• ビッグベイトは多用しない

上記のような方は22エクスセンスDCの方がより快適でしょう。

^{注意！
現在Amazonでは適正価格の22エクスセンスDCの在庫はありません。(2024年11月29日現在)
お求めの方は楽天市場かヤフーショッピングでどうぞ。}

逆に、

• ナイロンやフロロを使う
• ビッグベイトメイン

こんな方はラインキャパもあって専用ブレーキモードのある23アンタレスDCMDの方が快適でしょう。
価格も23アンタレスDCMDの方が5,000円程度安いです。

22エクスセンスDCのインプレと実釣

さてここからは実際に購入した22エクスセンスDCのインプレッションです。

ファーストインプレッション

ここからは箱出しの状態でのインプレッションです。
トピックは以下の4つ。

順を追ってみていきましょう。

デザイン

まずはデザインです。
全体的にブラックでまとめ上げられ、落ち着いた雰囲気です。

ボディはつやを抑えたデザイン。
ですが、ハンドルやスタードラグ周辺はつやがあります。

カラーリングは統一し、質感を変化させデザインに抑揚をつけています。

レベルワインダーのガイドはもちろんメガホン型。
ロングリーダーでも結束部分の抜け良好です。

スプールは第三世代のマグナムライトスプールです。
低慣性で最後まで「伸び」ます。

21アンタレスDCと共通のスプールは約17g。
17エクスセンスDCと比べ1g以上軽量化されています。

付属品

説明書の他に、リールの収納袋とPEライン用の下巻きゲージが付いています。

こんな風に当てて使います。
2号以下のPEラインを巻くときに便利ですね。

巻き心地

箱から出した直後の巻き心地は、

「軽やかでありながら、しっとりとしてなめらか。とても心地よい」

と感じました。
巻き心地に関しては文句のつけようがないです。

2024年11月29日追記
1年以上、大雨の中やカヤックフィッシングなどハードに使ってきた22エクスセンスDC。
そのままでも問題ありませんでしたが、シマノにオーバーホールを依頼したら新品の巻き心地になって戻ってきました！

オーバーホール、おすすめです。

重さ

重さを実際に計測すると231.5gでした。
重心がロッドに近くなるベイトリール、230gを重いとは感じないです。

むしろ、ロングロッド使用時はリールが軽過ぎてもバランスが崩れてしまいます。
なのでこれくらいが「ちょうどいい重さ」と言えるでしょう。

実釣インプレッション

実際に購入した22エクスセンスDCで釣りをして、魚を釣ってみた使用感をまとめました。

トピックは以下の5つです。

• ブレーキの調整範囲
• ロングリーダーでの使用感
• キャストの感触や飛距離
• 巻き心地
• ドラグの性能

順番に見ていきましょう。

ブレーキの調整範囲

まずPモードですが、ブレーキの調整範囲は十分でした。

小型なフローティングミノーから、重量のあるメタルバイブレーションまでしっかりとブレーキを制御して飛ばしてくれます。

そして遠投モードのXモードですが、これも設定範囲は十分。

7.5フィートと10フィート超えのロッドで、30～40gのジグを投げました。
どちらも無風でダイヤル2～3目盛り程度で気持ちよく飛んでいきます。

追い風3m以上という条件ではXモードの1目盛り（ブレーキ最弱）でキャスト。
全くバックラッシュすることなくかっ飛んでいきます。

ブレーキの調整代は十分で、10g～40g程度のルアーを快適に使用できました。

ロングリーダーでの使用感

今回はロングリーダーのノット部分をリール内に巻き込んで使用しましたが、すこぶる快適でした。

ガイド部分がメガホン形状になっているので、ノットの抜けがよいです。
キャスト直後にノットが引っ掛かりバックラッシュすることは一度もありません。

ノット部分を巻き込めると、PEライン+ショックリーダーの恩恵を享受しつつ、
たらしを少なくしてキャストが可能です。

これなら周囲に障害物があっても投げやすいですし、なにより正確にキャストが決まります。

また、PEライン使用のベイトリールにありがちな未だに一度も起こっていません。
SVS∞の17炎月では謎の高切れがあったんですが…これも新しく緻密になったDCの制御のおかげでしょうか。

キャストの感触や飛距離

キャストの飛距離に関しては、「結構飛ぶじゃん！」というのが正直な印象です。
ナローな37mm径のスプールで、ここまで飛べばもう上等でしょう。

それでもスピニングリールと比べると当然ながら飛距離は劣ります。
なのでDCだからと言って期待しすぎは禁物です。

しかしながら、やはり太糸使用時の快適さ+ロングリーダーで垂らしを短くできる恩恵はでかい！
ロックフィッシュやリバーシ―バスでのキャストも快適、爽快です。

しっかり飛ぶDCはブレーキ音も心地よく、なによりキャストの伸び感があります。

「あそこのポイント（根）までベイトリールで飛ばせたら…」
そんな釣り人の思いをしっかり実現させてくれるだけの性能を有しています。

巻き心地

巻き心地に関してはファーストインプレッションの際に感じた通りで、軽くなめらかでとても気持ちがいいです。

パワーもあり、巻き抵抗のあるルアーなどはスピニングリールよりも圧倒的に軽快に巻き取ることができます。

ただ最大巻取長が91cm/ハンドル1回転なので、サーフなどで4000番のXGを使用している方はもう少しだけ早く巻けるといいな…と感じるかもしれません。

ドラグの性能

ドラグは意外と滑り出しもよく、なめらかさも必要十分です。
細糸で70cm越えの真鯛を釣った時も全く問題ありませんでした。

そして他のキャスティング用ベイトリールと比べドラグ音があるのもありがたかったです。

ドラグ音があることで、ラインが出されているかことがより分かりやすいです。

22エクスセンスDCのメリット

ここからは実際に購入し試してみて分かった、22エクスセンスDCのメリットについてまとめます。

メリットは次の3つです。

順番に見ていきましょう。

メリット：PEライン使用時のトラブルが少ない

22エクスセンスDCのブレーキシステムはPEラインでの使用に特化したもので、PEラインでの釣りがより快適にできます。

実際の釣りにおいて、高切れやバックラッシュなどありがちなトラブルをかなり減らしてくれていると実感しています。

海でのルアー釣りでベイトリールを使いたい！という方には、ぜひPEラインに特化したブレーキシステムの22エクスセンスDCを選んでいただきたいです。

その高い性能、快適さに間違いなく驚かれると思います。

メリット：対応できる魚種が多い

22エクスセンスDCは、PEライン使用が得意なシーバス用ベイトリール。

ですが、ナイロンやフロロのブレーキモードの設定もあり、21アンタレスDC譲りの性能で当然快適に扱えます。

つまり、シーバスだけでなく、バスからロックフィッシュ、サーフでのフラット狙いから小～中型の青物までなんでもこなせるリールになっているわけです。

もちろん、シーバスジギング等の落とし込みの釣りはもちろん、ボートシーバスなどのインショアゲームも快適。

高性能でPEラインも快適に使えるゆえに、様々な釣りで楽しめるリールです。

メリット：扱いこなす楽しさがある

単純に「使っていて楽しい！」これが一番のメリットだと思います。

調整不要でキャストできるスピニングリール。
それに比べベイトリールは、ルアーの重量や空気抵抗が変わるたびにブレーキの調整が必要です。

しかも風向きやその強さを考慮してルアーを選んだり、ブレーキを調整する必要があります。

さらにベイトリールはスプール大きさで得意なルアー重量の範囲が決まります。
その範囲を外れると過剰にブレーキがかかったり、逆にブレーキ力不足になったり。

しかしながら、ベイトリールにはこれらの弱点を補って余りある「扱いこなす楽しさ」があります。

最新のブレーキ制御でトラブルを抑制してもらいつつも、楽しく扱える。
22エクスセンスDCはそんな素晴らしいリールです。

22エクスセンスDCのデメリット

22エクスセンスDCは確かに素晴らしいリールですが、デメリットもあります。

デメリット：価格が高い

22エクスセンスDCのデメリットはこれでしょう。

デザインや性能のよいベイトリールではありますが、やはり価格の高さはデメリットでしょう。

お小遣いでやりくりしているアングラーにとって、実売価格7万円前後のリールを購入するのは勇気や根気が必要です。

まとめ：トラブルレスなPEライン特化ベイトリール！

今回はシーバスベイトリールの最高峰、22エクスセンスDCのインプレでした。

新しいブレーキシステムでPEラインもトラブルなく扱える、汎用性の高いベイトリールであることが分かっていただけたと思います。

海でのベイトタックルに挑戦したい方にはぜひとも第一候補にしていただきたいリールです。

2024年11月29日
市場全体から22エクスセンスDCが減少しています…
Amazonや筆者最寄りの釣具屋は軒並み在庫がありません。
左巻きに関しては特に少なく、新品で買えるチャンスはもうないかもしれません。

2024年12月29日追記
Amazonに22エクスセンスDCの在庫が復活しています！
絶滅したと思われていた左巻きもあり！新品欲しい方はお早めに！

以上、佑（@yu_iianbai）でした。またね！